持続可能な社会の実現

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持続可能な社会の実現

特集1:鉄道ソリューション

低炭素社会の実現は、世界が抱える重要な課題です。三菱電機では風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー(再エネ)の活用に欠かせない蓄電池や制御システム、及び鉄道での電力消費を大幅に削減するインバーター装置など、環境負荷低減に貢献する技術の開発と運用に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献しています。

小田急電鉄1000形リニューアル車
小田急電鉄1000形リニューアル車

鉄道の電力消費量を大幅に削減する鉄道ソリューション

低炭素社会の実現に向けて、鉄道そのものにかかる期待は大きいと言えますが、その鉄道で消費する電力を大幅に低減できれば、その貢献を加速させることができるでしょう。

当社が開発した「フルSiC適用主回路システム」は、電車のモーターを駆動するために、架線から受け取った直流の電力を交流へと変換するVVVFインバーターやフルSiCに最適化した高効率モーターなどで構成されています。鉄道車両用インバーターに適用する半導体の素材に、世界で初めてとなるフルSiC(炭化ケイ素)を採用したことで、従来のSi(ケイ素)を使った場合と比べて、変換時の電力ロスを削減。更にブレーキ時に発生する回生電力を増加させることができ、トータルで約40%の電力を低減することに成功しました。

消費電力比較
消費電力比較

この装置は小田急電鉄株式会社へ納入し、2015年1月から営業運転を開始しています。2015年11月には、「エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(優秀賞)」を、小田急電鉄株式会社と当社とで協同受賞することができました。また、同技術の展開により、優秀省エネルギー機器 経済産業大臣賞、市村産業賞 功績賞を受賞しています。

同装置は、2016年6月までに、国内の鉄道会社(小田急電鉄株式会社ほか)に納入。今後も、フルSiCを用いたシステムの適用範囲を拡大し、低炭素社会の実現に貢献していきます。

なお、今回のパワーモジュール開発の一部は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究として実施したものです。


【担当者からのコメント】
国内外を問わず裾野を広げていくのが役割
伊丹製作所
車両システム部
パワエレシステム設計第一課
専任
山下良範
伊丹製作所
車両システム部
パワエレシステム設計第一課
専任
山下良範

世界初となるフルSiCを実現できたのは、研究所と半導体専門の工場の間での人的交流を行い、三菱電機社内の様々な分野の担当者が知恵を出し合い、議論できる場があったからだと思います。

公共交通機関である小田急電鉄様では、故障を起こして交通を止めてしまうことは許されません。そのため、世界初の技術を導入するために数多くの信頼性評価を実施し、営業運用に就く前には実際の車両で累計5,004kmの試験走行も実施した上で、営業投入を果たしました。

小田急電鉄様には、低炭素社会に貢献する取組として車両内でPRもしていただきました。開発・導入に携わった私たちにとってもとても嬉しいことでした。

「フルSiC適用主回路システム」は、環境負荷低減という社会的な側面からも、インパクトの大きい技術です。その高い省エネ効果を多くの鉄道事業者様に知っていただき、今後も国内外を問わず、広めていくことが私の役割だと思っています。


特集2:隠岐ハイブリッドプロジェクト

CO2削減に貢献する技術の開発と運用の一つの取組として、島根県隠岐諸島での「隠岐ハイブリッドプロジェクト」(環境省「H26年度離島の再生可能エネルギー導入促進のための蓄電池実証事業」)を開始しています。天候状況によって電力量が左右される太陽光発電や風力発電などの再エネの課題を克服しうるハイブリッド蓄電池システムの開発を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

再エネ、省エネで、低炭素社会に貢献する

再生可能エネルギーの利用を促進する隠岐ハイブリッドプロジェクト

中国電力株式会社が2015年9月から、島根県隠岐諸島で行っている「隠岐ハイブリッドプロジェクト」。太陽光発電や風力発電等の再エネの導入を拡大し、CO2を削減して持続可能な社会を目指す3年間の実証事業です。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候状況によって発電量が変化します。そういった「はやく小さな変動」を吸収するために小容量・高出力のリチウムイオン電池を使用します。また、太陽光は昼に発電して夜は止まるため、昼間余った電力を夜使うなど、「遅く大きな変動」は、大容量のNAS電池で吸収します。特性の違う2種類の電池を組み合わせたハイブリッド蓄電池システムは日本初の試み。三菱電機は、そのハイブリッド蓄電池システムの設計と構築を担っています。

ハイブリッド蓄電池システム
出典:中国電力ウェブサイト ハイブリッド蓄電池システム

現在、隠岐諸島で必要な電力は約10,000~24,000キロワット。実証試験期間の3年間で、風力発電、太陽光発電を順次増やし、最終的には最小需要を上回る11,000キロワットの再エネが導入される見込みです。

【担当者からのコメント】
再エネの利用を隠岐から世界へ広めたい
電力流通システム部
電力流通第一課
専任
清水恒夫
電力流通システム部
電力流通第一課
専任
清水恒夫

私は、2010年に三菱電機が実施した伊丹地区でのスマートグリッド実証実験、2013年には壱岐にて、2014年には対馬にて、リチウムイオン電池を導入した離島向け電力制御システムに携わり、2015年より本プロジェクトにおけるシステム取り纏めを担当しています。

2015年9月から実証試験を開始。停電もなく、安定した電力供給が行われていることは、何よりも嬉しいことです。可愛いわが子のような気持ちで見守っています。

今後も実証事業の成功のため、現状の改善点について、中国電力様と頻繁に勉強会を行い、よりよいシステムを育てて行けるよう、取り組んでいきます。

海外でも、このようなシステムへの需要は増えていくことが予想されますが、当社の製品を広く普及するためにも、再エネに対応した安定性と経済性を兼ね備えた電力制御システムの構築技術は不可欠です。

隠岐プロジェクトをはじめ、伊丹地区での実証実験以来積み重ねてきた経験を生かし、様々なニーズに合わせて、最適な蓄電池とシステムの組み合わせを提案していきたいと思っています。


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