電力・産業システム事業本部

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事業概要とリスク・機会を認識・評価している環境課題

電力の安定供給を支える機器・システムを提供

電力・産業システム事業本部は、発電、変電、受配電、電力流通を支える発電機、開閉器、変圧器、スイッチギヤ、真空遮断器などの製品と、プラント監視、系統安定化、系統保護・制御、直流送電などの各種システムを提供しています。持続可能な社会の実現が世界的なテーマとなる中、高性能機器の開発やスマートグリッド・スマートコミュニティ関連事業の強化とともに、環境負荷低減活動にも継続して取り組むことで、電力事業者や一般需要家のお客様が安心・安全・快適に暮らせる社会の実現に貢献していきます。生産は、電力システム製作所(兵庫県・神奈川県、個産と量産)、系統変電システム製作所(兵庫県、個産)、受配電システム製作所(香川県、個産と量産)の3製作所を中心に、国内関係会社、海外関係会社でも行っています。当事業本部では、海外関係会社の環境負荷低減に注力しており、マザー工場である国内拠点の指導のもと、温暖化係数の高いSF6ガスの大気排出量の削減や化学物質管理の強化を進めています。

リスク・機会を認識・評価している環境課題

  • 気候変動
  • 地下資源枯渇
  • 設計・製造における化学物質の適正管理
  • 操業・調達における大気・水・土壌汚染

事業本部からのメッセージ

高性能機器の開発とスマートグリッド・コミュニティ関連事業の強化で、持続可能な社会の実現に貢献していきます

伊藤泰之
専務執行役
電力・産業システム
事業本部長
伊藤  泰之専務執行役
電力・産業システム
事業本部長

発電から送変電、配電まで、電力系統を支える機器やシステムをトータルに提供する私たちにとって、持続可能な社会の実現に取り組むことは重要な使命の一つであると考えています。この認識のもと、電力・産業システム事業本部では現在、次の取組に注力しています。

  1. 高性能機器の開発と適用拡大
    1. 機器のライフサイクルにわたる温室効果ガス削減を目標に、高効率発電機や環境負荷低減開閉器、ロス低減変圧器をはじめ、地球温暖化係数が高いSF6ガスの使用を全廃または使用量を低減した機器の開発・製品化に取り組んでいます。
  2. スマートグリッド・スマートコミュニティ関連事業の拡大
    1. 社内実証実験設備にて得た技術・ノウハウを活用し、「経済性・信頼性を両立する質の高い電力系統」「ICT活用の相互接続性実現によるエネルギー最適利用」「緊急時にも対応したレジリエントなエネルギーインフラ」の実現に貢献する監視制御システム、スマートメータシステム、蓄電システムなどの納入を拡大しています。

今後は、これらに加え、各国のエネルギー政策を踏まえた原子力事業の展開や、再生可能エネルギー導入拡大下での需給管理、需要制御を含む分散型エネルギー源の統合管理、電力事業者間をつなぐ全国での電力需給など新しい需要に対応する電力系統安定化機器・装置の開発にも取り組んでいきます。

また、事業における環境負荷低減活動として、生産・試験工程で使用するエネルギーの削減と化学物質の管理徹底に継続的に取り組んでいくことで、安心・安全・快適な社会の実現に貢献していきます。

  • ICT:Information and Communication Technology

事業を通じた環境課題への取組

環境負荷低減 水素間接冷却タービン発電機を開発

気候変動

世界的な電力需要の高まりやCO2排出による地球温暖化の進行を背景に、タービン発電機には大出力化・高効率化及び高い信頼性が求められるようになっています。当社では、高効率で構造が比較的簡素な水素間接冷却タービン発電機の大出力化・高効率化の開発を進めてきました。その結果、水素間接冷却機として世界最大となる900MVA級の出力を実現した新型発電機“VP-Xシリーズ”の開発に成功しました。実機による性能評価、健全性評価も完了しています。

これまで900MVA級の大出力域には水冷却方式でしか対応できず、固定子冷却水供給装置などの付帯設備を設置・運用することが不可欠でした。水素間接冷却方式はこうした設備が不要なため、運用・保守の面で有利です。

また、VP-Xシリーズでは、新たに開発した複数の要素技術を適用することで、従来の水素間接冷却機に比べて、大出力化・高効率化・コンパクト化を実現しました。これらの要素技術は、既設機に対して部分的に適用することも可能であることから、パーツの交換・更新により大出力化・高効率化を実現する新サービスも提供していきます。

  • 2014年12月8日時点、当社調べ。
高効率タービン発電機VP-Xシリーズ
高効率タービン発電機VP-Xシリーズ
870MVA検証機
870MVA検証機

環境負荷低減 開閉器を開発、普及

気候変動

温室効果ガスの削減を目指し、ドライエア絶縁によりSF6ガス使用量をゼロにした真空遮断器を搭載する70kV級C-GIS(密閉形複合絶縁スイッチギヤ)の普及拡大を進めています。また、従来の油圧操作機構に変えてバネ操作機構を採用し、メンテナンス作業を大幅に低減するとともに、エネルギーロスの少ないGCB(ガス遮断器)のシリーズ化を進めており、500kVまでの製品化を完了。使用材料、運転電力の抑制、長寿命化機器の拡大を推進しています。

密閉形複合絶縁スイッチギヤ
密閉形複合絶縁スイッチギヤ
ガス遮断器
ガス遮断器

環境負荷低減 変圧器を開発

気候変動設計・製造における化学物質の適正管理操業・調達における大気・水・土壌汚染

発電所から需要家に至るまでの送変電電力量ロスの低減やCO2排出量の削減に貢献する、発熱を低減した効率の高い変圧器を国内外の顧客に多数納入しています。使用材料を削減するためにコンパクト化した変圧器も開発しています。また、鉄道車両に搭載される変圧器として、車両の走行風を利用して本体を冷却する走行風自冷式変圧器を開発、納入しています。発熱が少ない高効率の変圧器を採用し、電動送風機を使わず走行風のみで冷却するシステムとしていることから、省エネに大きく貢献しています。

高効率変圧器
高効率変圧器
車載用変圧器(鉄道車両用)
車載用変圧器(鉄道車両用)

スマートグリッド・スマートコミュニティの実現に必須となる
電力用パワーエレクトロニクスシステム、スマートメータシステム、蓄電システム、スマート中低圧直流配電ネットワークシステムを提供

気候変動設計・製造における化学物質の適正管理地下資源枯渇

気候変動への有効な対策の一つとして注目されているスマートグリッド・スマートコミュニティの分野において、当社は、過去30年間にわたり、電力用コンデンサや高調波フィルタなど、電力用パワーエレクトロニクス設備の納入実績を多数有し、電力系統の高度運用に貢献してきました。更に、2020年の送配電網を想定した実証実験設備を設置し、技術・ノウハウの蓄積を進めてきました。得られた技術・ノウハウとお客様からの評価を基盤に、事業展開を進めています。

電力用パワーエレクトロニクスシステム
大容量で低損失の最新パワーデバイスの開発から、大規模電力設備のシステム構築に至るまで、一貫して対応してきました。電力運用の柔軟性を高め、系統における諸問題を解決するため、パワエレ技術を高度に適用しています。今後も、スマートグリッド実現の基盤を支える送配電設備の構築に貢献していきます。
スマートメータシステム
スマートメータシステムは、電力の小売り全面自由化の根幹となるシステムです。電力の購入先を自由に選択するためには、「いつどれだけ電気を使ったか」という情報が必須となります。大量の検針データを確実かつ低コストで収集するためのシステムを開発、複数の電力会社で実際の運用を開始しています。また、このスマートメータシステムは、個別需要家の節電・省エネ行動に必要な電力使用量をBルート経由で提供する機能を備えています。
蓄電システム
電力系統の柔軟な運用には蓄電システムが必須となります。出力が変動する再生可能エネルギーによる発電と化石燃料による発電のバランスを司るキーシステムとして、離島をはじめとする小規模な電力系統へ蓄電システムを納入し、実証が進んでいます。離島以外の本系統でも再生可能エネルギーの余剰問題対策として蓄電システムに期待がかかっており、風力発電、太陽光発電など再生可能エネルギーを出力抑制することなく最大限に活用し、低炭素社会の実現と電力系統の安定運用の両立に寄与する製品の拡大に注力しています。

スマート中低圧直流配電ネットワークシステム「D-SMiree」
環境問題や資源・エネルギー問題緩和への貢献に向け、「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」に対応した次世代の直流配電システム「D-SMiree」を提案しています。従来の交流配電方式に替わる直流配電方式の提案によって、「省エネ」(変換回数の削減)、「創エネ」(太陽光・風力など複数発電設備の最適連系)、「蓄エネ」(エネルギーマネジメントシステムによる蓄電システムの最適な充放電制御)を実現し、消費型エネルギー社会から地産地消型エネルギー社会への変革に貢献します。
実証棟建屋外観
実証棟建屋外観
実証棟電気室
実証棟電気室

環境負荷低減を実現した監視制御システム

気候変動地下資源枯渇設計・製造における化学物質の適正管理

従来機種比で更なる高機能・高性能を実現するとともに、体積・重量を最大30%削減し、省資源・省スペース化にも貢献する監視制御システムです。消費電力も従来に比べ最大33%削減しています。またCPUカード・入出力ユニットは、一世代前のハードウェアでも交換可能なよう設計しています。最小限の設備更新で導入できるようにすることで、資源投入量をはじめとする環境負荷の低減につなげています。

計装制御システム
計装制御システム

環境負荷低減の取組

環境汚染の防止と生産時のCO2削減に注力

気候変動地下資源枯渇設計・製造における化学物質の適正管理操業・調達における大気・水・土壌汚染

当事業本部の製造拠点(当社4、国内関係会社8、海外関係会社2箇所)では、大型の発電機や変圧器などの個産機器とともに、中型の個産機器、システム機器を製造しており、板金、機械加工、絶縁材料の注型などの部品製造から製品の組立、試験までを行っています。各工場では化学物質、絶縁油を取り扱っているため、大気・水域・土壌を汚染することがないよう細心の注意を払っています。また、大型炉、空調防塵工場、温浴槽、試験設備があるため、消費エネルギーも小さくありません。そのため、計画的な太陽光発電導入、蒸気設備の電化や工場排熱活用による省エネのほか、SF6ガスの大気排出の極小化活動も推進し、生産時のCO2削減に取り組んでいます。

各工場間で情報共有を図り、環境活動のレベルを向上

気候変動地下資源枯渇設計・製造における化学物質の適正管理操業・調達における大気・水・土壌汚染

当事業本部では、当社製作所、国内関係会社の環境責任者が参加する「環境推進会議」や、関係会社に対する「省エネ診断」などの取組を通じて、環境活動のレベル向上を図っています。

2016年度の実施状況

環境推進会議
開催回数:
3回(責任者/実務者合同会議1回、責任者会議1回、実務者会議1回)
テーマ:
設備運用/JIT改善による生産時CO2排出量削減活動の定着化
主な成果:
生産設備の運用改善による省エネ、蒸気設備の電化、蒸気ロスの低減、JIT改善による省エネなどによって、関係会社を含めた事業本部全体で1,566t-CO2/年のCO2排出量削減を実現
環境監査
系統変電システム製作所(伊丹地区)(兵庫県)、多田電機(株)熱交換器工場(岡山県)、菱電化成(株)(兵庫県)、菱三工業(株)本社工場(兵庫県)、菱三工業(株)旭工場(愛知県)、丸亀菱電テクニカ(株)(香川県)を対象に実施

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環境への取組
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