半導体・デバイス事業本部

印刷用ページへ

事業概要とリスク・機会を認識・評価している環境課題

情報社会を支えるキーデバイスをグローバルに提供

半導体・デバイス事業本部は、家電や産業機器などのモータ制御や電力変換の高効率化を支える「パワーデバイス」をはじめ、無線から衛星通信まで幅広く利用される「高周波デバイス」、高速光通信を支える「光デバイス」、情報のインターフェイスを向上させる「液晶モジュール」など持続可能な低炭素社会を支えるキーデバイスを提供しています。これらの製品を開発・製造するパワーデバイス製作所、高周波光デバイス製作所、液晶事業統括部の国内外関係会社を含めた各拠点では、損失が極力少ないデバイスなど低消費電力の製品の開発に注力するとともに、クリーンルームでの高度な製造環境維持など、製造時に多くのエネルギーを消費する事業特性を踏まえて、空調設備の高効率化など製造時の省エネにも注力しています。また、水資源の枯渇と悪化を防止するために、製造工程で多く使用する純水をリサイクル利用しているほか、化学物質管理システムを導入して製品含有化学物質の確実な管理に努めています。

リスク・機会を認識・評価している環境課題

  • 気候変動
  • 操業地域での水の適正使用
  • 設計・製造における化学物質の適正管理
  • 操業地域での生物多様性

事業本部からのメッセージ

低消費電力製品の提供を通じて社会の低炭素化に貢献しています

眞田享
常務執行役
半導体・デバイス
事業本部長
眞田  享常務執行役
半導体・デバイス
事業本部長

「持続可能な地球環境」の実現には、発電した電力を低損失で利用することが大切です。家電・鉄道車両・産業機器などに組み込まれて電力損失低減に大きな役割を果たすキーデバイスがパワーモジュールです。世界No.1パワーモジュールメーカーである当社の製品は世界中で採用され、グローバルでの省エネルギー化に貢献しています。更に従来のSi(ケイ素)に比べ大幅な省エネルギー化が図れるSiC(炭化ケイ素)を用いて開発した最先端パワーモジュールのラインアップを強化し、市場及び当社関連事業の拡大を通じて一層の低炭素社会の実現に貢献します。

また、「ITの省エネ」という課題に対して、ギガビット無線通信機器や光ファイバ通信向けに化合物半導体デバイス技術を駆使した高機能・高効率・小型の「高周波デバイス」及び「光デバイス」製品を提供し、IT機器の超低消費電力化を支えています。更にデバイス製品自体の消費電力低減だけでなく、使用される基地局などの冷却に必要な電力を低減できる製品の開発を進めることで、トータルでの「ITの省エネ」を進めています。

「TFT液晶モジュール」分野では、水銀フリーで低消費電力の白色LEDバックライトをTFTカラー液晶モジュールに搭載し、標準品から屋外用超高輝度品までの広いラインナップを有して、POS端末や自動販売機、券売機、銀行・車内表示機、船舶用モニターなど幅広い市場に提供しています。

これら低消費電力の製品開発に注力するとともに、当事業本部では、生産時の地球温暖化対策として、多くのエネルギーを消費する高い清浄度を持つクリーンルームでの空調設備の高効率化やウエハの処理装置の運用改善によるエネルギー削減、及び除害装置の導入による温室効果ガス(SF6/HFC/PFC)排出量削減を継続的かつ積極的に行っています。


事業を通じた環境課題への取組

パワー半導体「SiC-SBD」
パワー半導体「SiC-SBD」

低消費電力化を実現する「パワーデバイス」を開発

気候変動

パワーデバイスはSi半導体を用いて開発・生産されてきましたが、低損失と高耐圧を高いレベルで両立する上では限界が近づいています。そこで低消費電力の特徴を持ち、幅広い用途に適用できるSiCを用いた半導体デバイスの開発を進めています。

当社は、2010年度に世界で初めてエアコンにSiCパワーモジュールを搭載し、その後も鉄道車両や産業機器などへの搭載を推進してきました。2015年度には鉄道車両のインバーターに世界で初めてフルSiCパワーモジュールが採用されました。また2016年8月には、当社従来製品比で電力損失を約70%低減※1し、業界トップクラス※2の低消費電力を実現した、エアコンの省エネに貢献する超小型フルSiCパワーモジュールを発売しました。

更に2017年3月には、太陽光発電やエアコンなどの電源システムの低消費電力化・小型化に貢献するSiCパワー半導体「SiC-SBD※3」を発売しました。この製品は、当社従来製品比で電力損失を約21%低減※4しています。

今後も新技術・新製品開発を加速し、市場のニーズに対応していきます。

  • ※1超小型DIPIPM Ver.6シリーズ(Si品)PSS15S92F6(15A/600V)との比較。
  • ※22016年8月17日時点。
  • ※3SBD(Schottky Barrier Diode):半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード。
  • ※4当社製パワー半導体モジュール「DIPPFC™」に搭載のSiダイオードとの比較。
100Gbps 小型集積EML TOSA
100Gbps 小型集積EML TOSA

高速通信用光トランシーバー「100Gbps※5 小型集積 EML※6 TOSA※7」を開発

気候変動

移動通信ネットワークの高速・大容量化によって「ITの省エネ」がグローバルな社会課題となる中、急速に増大する通信データを高速に処理するため、光ファイバ通信基地局内に光伝送装置を増設することが求められています。しかし、設置に使用できるスペースは限られていることから、光伝送装置に搭載される光トランシーバーの長距離伝送化や小型化へのニーズが高まっています。当社は、これらのニーズに応えるために、業界最長※8の伝送距離40kmを実現し、パッケージ体積を大幅に削減した「100Gbps 小型集積 EML TOSA」を開発。2016年7月からサンプル提供を開始しました。今後もニーズ拡大が予想される高速光通信の分野で装置の高性能化に貢献します。

  • ※5Gbps(Giga-bits per second):通信レートの単位。1Gbpsは1秒間に10億個のデジタル符号を伝送できることをさす。
  • ※6EML(Electro-absorption Modulated Laser diode):変調器集積半導体レーザー。
  • ※7TOSA(Transmitter Optical Sub Assembly):送信用小型光デバイス。
  • ※82016年3月16日時点、当社調べ。IEEE 100GBASE-ER4規格(米国電気電子技術者協会にて定められた通信速度100Gbpsのイーサーネット標準規格)において。

環境負荷低減の取組

多くのエネルギーを消費するクリーンルームの省エネ化を推進

気候変動

半導体・デバイスの製造は、製品の品質や信頼性向上のために、高い清浄度と高度な温湿度制御機能を持つクリーンルームで行われます。このクリーンルームの環境を維持するためには、製造装置と同程度のエネルギーを消費する空調設備が必要となることから、当社では高効率な空調設備への置き換えを進めているほか、ウエハの処理装置の高効率化などあらゆる手段を駆使して省エネ化に取り組んでいます。

高効率な空調設備を導入気候変動
パワーデバイス製作所・熊本地区では、高効率の空調設備への置き換え及び統合管理を実施し、年間約1,660万kWh(CO2換算7,000t)を削減しています。
太陽光発電システムを設置気候変動
パワーデバイス製作所・福岡地区で、太陽光発電システムを工場の屋上に設置して定格300kWの発電を行い、年間約29万kWh(CO2換算120t)の削減効果を生み出しています。
氷蓄熱システムを導入
液晶事業統括部では、夜間電力を使用して蓄熱槽に製氷し、氷に蓄えた冷熱を空調に利用することで、国や電力会社から要求されている昼間電力のピークカットやピークシフトに貢献しています。
LEDイエローランプを採用気候変動
パワーデバイス製作所・高周波光デバイス製作所では使用する照明のLED化を計画的に進めています。2015年度には製造条件に影響するイエローランプも検証を重ねて実用化し、年間65万kWh(CO2換算275t)の電力を削減しました。今後も順次LED化を計画しています。

社内省エネ技術を結集してオフィス棟の省エネを実現

気候変動

パワーデバイス製作所・福岡地区の設計技術棟は、エネルギー消費を制御管理する当社製システム「Facima」をはじめ様々な環境への配慮を施しています。これらの高い環境性能が認められ、福岡市建築物環境配慮制度のCASBEE福岡で最高評価のSランクを取得しました。更に液晶事業の技術管理棟も、同様に環境への配慮が評価され、CASBEE熊本で推奨ランクA(大変良い)を取得しました。

  • CASBEE(キャスビー:建築環境総合性能評価システム):建築物を環境性能で評価し、格付けする手法で、産官学で共同開発された全国共通の評価システム。

水のリサイクルと排水による水質汚染の防止に注力

操業地域での水の適正使用

半導体製造工場では、多くの純水を使用します。水資源の枯渇と悪化防止の観点から、純水の再利用に取り組んでおり、排水中に含まれる有機性と無機性の汚染不純物を確実に除去し、廃液を処理・回収するフローを確立しています。

化学物質の管理を徹底

設計・製造における化学物質の適正管理

お客様からの製品の環境負荷情報に関するお問い合わせに対して迅速且つ正確に回答するために、化学物質管理システムを導入し運営しています。

生物多様性の保全に向けた活動を推進

操業地域での生物多様性保全

パワーデバイス製作所、高周波光デバイス製作所において、2015年度から「生きもの調査」を開始しました。専門家の指導を受けながら敷地内の生息種を調べた結果、絶滅危惧種に指定されている種を含め、多数の地域固有種の生息を確認できました。今後はこれら地域固有種の保全に向けて、生きものがより過ごしやすい環境を整えていきます。


このページを共有

環境への取組
カテゴリ内情報