事業所の生物多様性保全施策について

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取組の背景と目的:生物多様性の問題を「身近なもの」に

熱帯雨林や北極、日本では離島や湿原などで生物多様性が脅かされていることは一般にも認識されていますが、実は私たちの周囲の草地や水田でも生物多様性の毀損は進んでいます。しかし、その実態はほとんどつかめていないともいわれています。

生物多様性の毀損は生態系サービスへのダメージとなり、最終的には人間の暮らしに影響を与えます。公害、地球温暖化、気候変動など環境問題とされるものはすべて、人間に対して負の影響を及ぼすものであると同時に、生物多様性、あるいは生態系を毀損するものでした。また、すべての環境問題は、影響を与える他人や生物への無関心、それらとの関係遮断によって引き起こされます。この2つのことから、今日の生物多様性の問題は「環境問題の本質」であるといえます。

三菱電機グループが事業所での取組に注力する施策を設けている理由もここにあります。事業所は都市部にあり、私たちは、ともすると「自分には直接関係のない」ことと捉えがちです。三菱電機グループは、生物多様性にかかわる問題に取り組むために、そして環境問題を引き起こさない人材となるために、この「遠さ」(生態系との関係を遮断している状態)をなくすこと、すなわち「身近なもの」にすることが重要であると考えています。社員の生業の場であり、地域生態系とのつながりを持つ事業所において「緑の質の向上」に取り組み、地域の生態系に貢献することは、この趣旨において優先度が高いことと考えています。

取組の背景と目的

取組の方法:調査と対話から行動へ

「緑の質の向上」に当たっては、まず「調査」を実施し、事業所内や地域における動植物の生息状況を把握することとしています。また、地域の課題への貢献や周辺生態系とのつながりづくりのために、社外のステークホルダーとの「対話」も重視しています。各事業所では、「調査」と「対話」に基づき、具体的な「行動」を企画しています。

取組の方法

“行動”の方向性:3つの方向性に沿って「緑の質」を向上

三菱電機グループは、各事業所における「行動」の指針として、「生きものへの負の影響を低減する」「生きものとのより豊かな共生を目指す」「働く中で社員が自然との関係を取り戻す」の3つの方向性を定めています。 第8次環境計画(2015~2017年度)では、全事業所で2017年度までに「調査」「対話」を実施し、「行動」の計画を策定することを目標に掲げており、各事業で着実に取組が進んでいます。

行動の方向性 実行例

A
生きものへの
負の影響を低減する

  • 1.「開発圧※1」「外来種圧※2」の抑制
  • (1)環境アセスメント
  • (2)外来種管理
  • 2.「希少種」「固有種」への注意喚起と保全
  • (1)構内生物リストの公開
  • (2)希少種、固有種の保全
  • (3)周辺の保全課題への協力
  • 3.農薬影響の管理
  • (1)生きもの殺傷の抑制

B
生きものとの
より豊かな共生を目指す

  • 4.機能緑地の設定
  • (1)周辺生態系への貢献
  • (2)「都市生態系」の質向上
  • (1)飛翔性生物の利用地
  • (2)「みどり+生きもの」優先地
  • (3)敷地周辺への連続性の提供
  • (4)周辺生態系の課題への協力
  • 5.緑地の単純化、特定化など、産業的志向からの脱却
  • (1)植生の多様化・多層化
  • (2)植物の特性に合う緑地管理

C
働く中で社員が
自然との関係を取り戻す

  • 6.生態系サービスの職場での積極的享受(休憩所、フロア)
  • (1)文化的サービスの享受・場づくり
  • (2)供給サービスの享受・場づくり
  • 7.「無関心」「無関係」状態から、「全員が関係ある」状態へ
  • (1)理解と行動促進の教育
  • (2)職場・業務での関係創出
  • ※1開発圧:棲みかの破壊。事業拠点を新たに建設することや、天然資源の採取などのために開発が行われること(サプライチェーンでの開発を含めて)、などが該当。操業による水の使用が周辺地域や水源、ひいては生きものの生息環境に影響を与える場合などもこれに含まれると考えられる。
  • ※2外来種圧:その地域にもともと存在しない生きものが、外構や建物の脇の緑地、生垣などをつくる際に地域の外から樹木や草木を導入することがある。何気なく行われる生きものの移動が、地域固有の種の生息を脅かしたり、遺伝的な汚染の原因となることがある。

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環境への取組
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