分速1,000mを超える高速走行でも快適な乗り心地を実現。
技術紹介
世界トップクラスの分速1,230mの超高速走行と快適性を両立。
エレベーターの性能は速さだけでなく、乗る人にとっての快適性が不可欠です。超高速エレベーターにおいて快適性を保つ上で課題となったのが「横揺れ」と「騒音」でした。今回開発した「新型アクティブローラーガイドシステム」は独自の制振技術により超高速走行で起きる横揺れを大幅に抑え、乗客が揺れを感じることはほとんどありません。また「超高速向け低騒音化技術」は分速1,000m超でありながら、一般のエレベーター並みの静かさを実現しました。この技術は中国上海市の中国最高層ビル「上海中心大厦(地上632m)」に納入した三菱電機の技術の粋を集めた分速1,230mの世界トップクラスのエレベーターに搭載されました。世界トップクラスの速さと快適な乗り心地を両立した最新鋭のエレベーターのデビューです。
超高速走行による「横揺れ」と「騒音」を大幅に低減。
エレベーターにおいて、なぜ横揺れは起きるのか。その原因のひとつは、エレベーターのかごが走行する際の軌道となるレールです。レールの小さな曲がりやつなぎ目のわずかなズレが超高速走行時には大きな振動となってかご室内に伝わるのです。さらに超高速走行では、かご同士がすれ違う時の風圧も横揺れの原因になります。「新型アクティブローラーガイドシステム」はそれらの振動をセンサーで検知し、上部・下部計4箇所のアクティブ制振ガイドによって、横揺れを大幅に低減します。また高速になるほど、昇降路内を走行するかごの周囲で強い気流が生じ、気流やその乱れによって騒音が発生します。「超高速向け低騒音化技術」は新開発の流線型整風カバーなどにより、気流をコントロールして騒音を大幅に低減しました。三菱電機は豊富な経験に基づく独自の技術をさらに進化させ、分速1,000m超という新たな世界で起こる「横揺れ」と「騒音」という難問を解決しました。