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不動産情報サービスのパイオニアであるアットホーム株式会社は、これまで拠点ごとに導入していた無線LAN環境を三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)の支援を受け、クラウドで一元管理する次世代の無線LAN 環境に刷新。AD(Active Directory)サーバーとRadius(Remote Authentication Dial-in User Service)サーバーとの連携による無線LAN 認証でセキュリティー強化と利便性を向上させるとともに、クラウド型のコントローラー「Cisco Meraki」でアクセスポイントの一元管理を実現しました。今後、2019 年までに全国40 拠点へ次世代型無線LAN 環境を展開していく計画です。

取締役 情報戦略部門 情報システム部・顧客情報管理部 部門長 山本 治 氏(左)情報システム部 専任職 菅原 秀昭 氏(右)

取締役 情報戦略部門 情報システム部・顧客情報管理部 部門長 山本 治 氏(左)
情報システム部 専任職 菅原 秀昭 氏(右)

ユーザーの要望に応えるため無線LAN 環境の刷新を決断

全国の不動産会社間で物件情報を共有する不動産会社間情報流通サービス、不動産情報サイト「アットホーム」を中心とした消費者向け不動産情報サービス、不動産会社の業務全般をサポートする不動産業務支援サービスなどを展開するアットホーム。加盟・利用する不動産会社は全国5万4,000店以上にのぼり、取り扱い物件数も約183万件に達しています(2017年10月現在)。

従業員が利用するネットワークは同社のビジネスを支える重要なIT基盤です。そのネットワーク環境はビジネスの成長とともに拠点ごとに増強を重ねてきました。取締役で情報戦略部門 情報システム部・顧客情報管理部 部門長の山本治氏は「業務端末の主流はデスクトップパソコンからノートパソコンに移り、近年はタブレットやスマートフォンなどマルチデバイス化が進んできました。

それに合わせて無線LANのニーズは急速に拡大しています。そのため、現場から無線LANのスピードが遅いといった声が増えてきましたが、無線機器の設置や管理は拠点ごとにバラバラで既存の状態を把握し対応に移る際に時間を要していました」と振り返ります。

無線LAN環境は、運用面でも課題がありました。情報システム部 専任職の菅原秀昭氏は次のように語ります。

「ビルの1階から6階に入居している日比谷オフィスの場合、各フロアで無線LANのSSID(Service Set IDentifier)がバラバラで、階を移動するたびにIP(Internet protocol)アドレスを払い出す手間が発生していました。フロアによっては無線LANが接続できない場所もあり、改善要望が増えてきました。さらに、無線LAN接続はPSK(Pre Shared Key)認証のみで、社内システムへの入口としては不正アクセスされるリスクが内在していました。全国に点在する拠点で不動産会社、お客様の機密性の高い情報を扱う関係上、セキュリティーの強化は不可欠でした」

クラウドコントローラーを用いたアクセスポイントの一元管理環境を構築

無線LANに関する課題を解決するためアットホームは、従来の環境を刷新し、運用管理も見直すことを決定しました。要件として「クラウドコントローラーのCisco Merakiを用いた無線LAN環境の一元管理」「セキュリティーの強化」「メンテナンス性の向上」の3つを定め、提案があった5社の中からMINDを導入パートナーに選定しました。その理由について菅原氏は「技術レベルの高い提案内容に加え、柔軟性の高い運用対応が決め手となりました。例えば、設定変更や構成変更について自らが最適なタイミングで実施したいものと、パートナーに実施してもらいたいものがあります。他社の提案では、すべての変更を運営会社に依頼しなければならず、これでは緊急時の対応に時間を要してしまいます。これに対してMINDの提案は私どもの希望に沿う形で支援体制を用意していただくものでした。さらに、Merakiに関して導入事例がまだ少ない中、MINDはCisco 社のゴールドパートナーとして、自社での利用実績があったことも安心感につながりました」と語ります。

2017年1月から情報システム部、企画部、人事部、営業部などと協力会社のスタッフと併せて約500名が在籍する日比谷オフィスをパイロット拠点にして、無線LAN環境の刷新を開始。約2ヵ月後の2017年3月には環境構築や設定を終え、日比谷オフィスの1階から6階までの6フロアで利用しています。

日比谷オフィスに導入した後は、2017年7月に事務所の移転でネットワークの再敷設が必要となった神戸営業所に展開。さらに、同社の中でもオフィスの規模が大きくLAN環境も複雑化していた横浜営業所に展開し、2017年9月から運用を開始しています。

「規模が大きい横浜営業所では、複雑化した既存の有線LANを整理したり、現場の協力を仰ぐ必要があるために、現場に足を運んで展開作業を行いましたが、他の営業所の規模であればクラウドコントローラーのMerakiを使ってリモートで無線LANやアクセスポイント(AP)の設定ができるので、負荷もコストも大幅に軽減されることが期待できます」(菅原氏)

ADによるユーザー認証連携によりセキュリティー強化を実現

無線LAN環境を再構築した拠点では、無線LANの快適な利用が可能になり、利用者が増加しました。無線LANの通信スピードも早くなり、ユーザーの満足度も向上しています。

「日比谷オフィスの場合、ユニーク接続数は1日430台、平均して1人1台は無線LANを利用している状況です。会議でもノートパソコンやモバイルデバイスを各自が持ち込んで資料の参照やプレゼンができるようになり、ペーパーレス化に向けた通信環境の準備が整ってきています」(菅原氏)

無線LANのユーザー認証に関しても、Radiusサーバーを用いることでより強固なセキュリティー環境を実現し、不正アクセスのリスクは軽減されました。また、社内システムと無線LANへのログインがAD連携によって統合されたことで、セキュリティーの向上とユーザーの利便性の確保を同時に実現することができました。今後全拠点に新たな無線LANが展開されれば、どの拠点でも同じ操作で無線LANにアクセスすることが可能になり、無線LANコントローラーによって可視化された情報で誰がどの拠点の無線LANを利用しているか把握することもできます。

運用面では管理負荷が軽減されました。クラウドコントローラーのMerakiの導入により、情報システム部は管理画面を見るだけで各APへのアクセス端末や通信状況が把握できるようになりました。大容量ファイルのダウンロードやアクセス集中などが可視化されたことで、無線LANの安定化や不正アクセスの防止にもつながっています。経営面からの導入メリットについて山本氏は、場所や人に縛られることなく利用できることを挙げて次のように述べます。

「働き方改革の一貫で、最近はオフィスのレイアウトを変更したり、ミーティングスペースを設置したりする機会が増えています。従来の有線LANではケーブルがネックとなり自由に組み替えができませんでしたが、無線LANの導入でその心配もなくなりました」

2019年までに全国の拠点に次世代型無線LAN 環境を展開

今後については、2019年初めまでに全国の事業所や営業所に新無線LANの導入を進めていく予定です。社内ITにおいて、通信インフラは特に重要度が増しており回線速度や接続のしやすさなどにより生産性やモチベーションが変わることが期待できます。そのため、通信インフラの安全性・快適性・耐障害性を考慮した新無線LAN環境の導入を引き続き進めていく計画です。併せてクラウドコントローラーのMerakiの機能を最大限利用した環境構築と運用を行うことも重要と考えています。

MINDに対しては技術レベルの高さと、Merakiを含めた適切な導入支援体制を評価。今後についても「ネットワークや通信に関して、改善の余地がありMINDの強みを活かした提案を期待しています」と山本氏は話します。

「調和」「科学」「倫理」を経営理念の3本柱とするアットホームは、常に時代の流れを先取りしたシステム・サービスを開発・提供しながら、不動産会社やエンドユーザーのニーズに応えていきます。

システム構成イメージ

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  • 本記事は、情報誌「MELTOPIA(No.233)」に掲載した内容を転載したものです。
  • MINDネットワークサービス

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アットホーム株式会社 様

所在地 東京都大田区西六郷4-34-12

創業 1967年

https://athome-inc.jp/