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MDISとの業務提携による
シナジーを活かした文書管理BPOサービスを提供

2018年08月|EXPERT INTERVIEW

2018年3月に三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(MDIS)と業務提携を締結した株式会社ジェイ・アイ・エム(JIM)は、50年の歴史を持つ文書管理のBPOサービス提供企業です。大手金融機関をはじめ、数多くの企業から書類の文書管理業務を受託しており、多くの実績とノウハウを蓄積してきました。同社が提供するBPOサービスの特長について、代表取締役社長の橋本貴史氏に伺いました。

株式会社ジェイ・アイ・エム
代表取締役社長
橋本 貴史 氏

株式会社ジェイ・アイ・エム代表取締役社長。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)市場開拓委員会建築WG委員長。1982年入社以降、営業として航空会社や大手製造業をはじめとする数多くの企業の業務課題を改善。2011年に取締役営業副本部長に、2017年5月に現職である代表取締役社長に就任。「顧客第一主義」と「全ステークホルダーの幸せ」を目指し、お客様が、より本業に専念できるようなBPO分野の強化や、AI・RPAを用いたサービスの開発等を主導。またJIIMAではIT国家戦略を実現するため、国と連携し、ガイドラインの策定、普及、啓発活動に貢献。

株式会社ジェイ・アイ・エム

創業以来、一貫して
文書管理のためのBPOサービスを提供

2017年に創立50周年を迎えたJIMは、書類の電子化、データエントリー、文書管理、e-文書法対応、拠点移転コンサルティングなど、幅広いバックオフィスBPOサービスを提供しています。文書管理に関して豊富な経験と高い技術を持つだけでなく、高度なセキュリティー管理能力が評価され、多くの企業から文書管理業務を受託しています。橋本氏はJIMの沿革について次のように説明します。

「当社は創業以来、一貫してお客様の文書情報を扱ってきました。当初は、書類をマイクロフィルムに撮影することで文書情報をコンパクトに収納。執務環境の整備と、情報検索の効率化の役割を担っておりました。現在では電子化が主流となっていますが、文書情報の加工による業務効率化への寄与という基本的な目的は今も共通しています。」

橋本氏によれば、最近は書類の保管スペースを節約するだけでなく、これまで蓄積してきた情報を活用するために電子化に取り組む企業が増えているそうです。

「書類の電子化のかつての主たる目的は、不要な紙を処分してスペースを作ることでした。しかし最近では、紙に記載されている情報の価値に注目するお客様が増えてきました。社内にある情報を掘り起こし、そこから新しい価値を見出すための第一歩として、紙の書類の電子化が行われています」

近年、電子化による社内情報の掘り起こしが盛んになっているのが、技術情報だと橋本氏は言います。メーカーの工場や研究開発の部門には、開発や製造の過程で技術者が残した膨大な量の図面や記録が紙で残っています。これは製造業にとって重要な技術資産であるものの、紙媒体の状態では活用が難しく、紛失のリスクがあります。そこで、こうした情報を電子化することで、埋もれた技術の発掘や、技術の継承に繋げる狙いがあるとのことです。

社内の現状をしっかり把握することで
効率的な電子化が可能に

JIMでは、文書管理のコンサルティングサービスも提供しています。書類の電子化を行う際には、闇雲にスキャンニングを行うのではなく、まず書類を必要なものと不必要なものに分類することが重要だと橋本氏は言います。

「実は、お客様自身が保管されている書類の状況を正確に把握できていない場合があります。そこで、お客様へのヒアリングを通して、書類が会社にとって必要かそうでないかを分類していきます。その際にはもちろん、法律上、保存が義務付けられているものかどうかの考慮も必要です。最終的にはお客様自身の判断で、引き続き紙で保管するもの、電子化するもの、そのまま廃棄をするものに分類していただきます。この過程を経ることで、当初の想定よりも低いコストで電子化が実現できることも少なくありません」

また、文書管理のコンサルティングでは、顧客の文書の流れを「見える化」することで、問題点を明確にするそうです。

「ヒアリングによって、ある文書はどういった形で発生し、どういった形で使われて、最後にどうなるかといった流れを『見える化』します。すると今のお客様の業務の中で、文書情報に関する無駄や改善の余地が見えてきます」(橋本氏)

また、お客様と長期的な関係を築くことも重要なポイントであると橋本氏は言います。

「文書情報というのは一時的なものではなく、現在、過去、未来へと繋がっていくものです。私どもの仕事は書類をスキャンニングしたり、文書管理のルールを作ったり、あるいは文書管理システムを納品するだけのものではありません。業務内容や組織に変更があれば、文書の流れや管理方法も変わります。M&A後には他社との文化の違いを調整する必要が出てくるなど、文書を取り巻く環境は絶えず変わっていきます。継続的なお付き合いをすることによって、こうした変化に対しても常に最適な文書管理を支援させていただくことができます」

企業の文書管理のあるべき姿への取り組みとその効果

現状を把握し、お客様にとって最適な管理方法を提案することで
実用的でコスト効果の高い文書管理を実現する。
出典:株式会社ジェイ・アイ・エム

MDISとJIMのノウハウを組み合わせて
より充実したサービスを提供

JIMとMDISは、個別のプロジェクトに関しては以前から協力関係にありました。今回、正式に業務提携を締結したことで、より緊密な連携を実現しました。JIMとMDISでは得意とする分野が異なるため、今まで以上にシナジーを発揮できると橋本氏は断言します。

「当社には、長年の経験に基づいた多くの電子化や文書管理のノウハウがあります。一方、MDISにはイメージワークフローをはじめとする高度なITシステムの構築実績や、お客様の大切なデータを守る強固なセキュリティー技術があります。双方が力を合わせることで、より高いレベルのサービスを素早くご提供できるようになりました。同時に今までリーチできなかった市場の開拓にもMDISと共に取り組んでいきたいと考えています」

すでに、MDISとJIMが共同で金融機関向けの文書管理を行う新たなプロジェクトがスタートしています。

「今後の文書管理では、より高度なデータの分析や自動処理といったことが重要になってきます。こうした分野においても、私どもの文書管理のノウハウとMDISのAIやRPA技術を組み合わせることで、お客様に新たな価値を提供していきたいと考えています」(橋本氏)