マクロやクローラーもRPAの一種
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が日常的にパソコンを使って繰り返し行う定型作業をソフトウェアを使って自動化する取り組みのことです。身近な業務で例えるなら、請求書の入金状況をチェックして、入金が一定期間以上遅れている取引先に督促メールを送信するなど、業務遂行に専門的なスキルは要求されないものの、これまでは人間がやらざるを得なかった作業を自動化するものです。
どのような業種、職種であっても、人間がパソコンで一日に何度も繰り返し行う作業は意外と多いものです。一つ一つの作業の負荷は高くなくとも、月間、年間の累計作業時間に直すと、その作業に膨大な工数を費やしていることがわかります。誰がやっても同じ結果になる単純な作業を自動化することで、従業員の労働環境の改善や業務の効率化などの効果が期待できます。
定型作業の自動化と聞くと、マクロを連想する人も多いかもしれません。マクロとは、アプリケーション上で複数の操作を行えるようにする機能のことで、マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」のマクロが有名です。マクロは、VBAと呼ばれるプログラミング言語で書かれていて、ワードやパワーポイントなど他のアプリケーションの機能を呼び出す機能に加え、インターネット上のウェブサイトにアクセスして必要なデータを自動収集するなど、様々な機能を組み込むことができます。マクロは、古典的かつ代表的なRPAツールといえるでしょう。
また、インターネット上に公開されているウェブサイトを巡回して、必要なデータだけをコピーしたり、ダウンロードしたりするツールはウェブスクレイパー、あるいはクローラーと呼ばれるものがあります。例えば、企業がプレスリリースを公開しているサイトを定期的に巡回して、特定のキーワードがタイトルに含まれるプレスリリースをダウンロードするといった単純機能のクローラーは、2000年前後にはすでに実用化されていました。これらクローラーもRPAの一例といえます。