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製造業では受注から出荷までの間に多岐にわたる工程があります。多くの企業ではこれらの管理業務に生産管理システムを使用しています。その中でも中堅・中小企業向けで高いシェアを誇るのが、株式会社エクスの生産管理システム Factory-ONE 電脳工場MFです。Factory-ONE 電脳工場MFは、生産管理と販売管理の生販一体型システムになっており、豊富な機能が標準搭載されていますが、受注前の内示情報に対応するには個別のシステム開発が必要でした。そこで三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)は、Factory-ONE 電脳工場MFに内示情報を取り込み、洗い替えを簡単に行える「Addon Solution 内示・確定システム」を開発しました。

内示情報と確定情報

製造業では、部品供給者(サプライヤー)は発注者(メーカー)からの注文に基づき生産を開始しますが、日本では自動車業界を中心に、内示情報と確定情報という独特の仕組みで発注を行っています。内示情報とは、メーカーがサプライヤーへ提示する仮数量情報のことです。正式注文ではないものの、あらかじめ直近数カ月先の注文予測をサプライヤーへ伝えることで、生産や調達にリードタイムがかかる部材の安定調達を図ります。内示情報は、ジャストインタイムに必要不可欠な情報で、余分な在庫を持たず必要最小限の部材を手配するうえで欠かせない情報です。そして、確定情報はメーカーからの正式な注文で、同時に納期も確定します。

内示から確定へと受注情報の精度を上げていきながら生産計画を立案し、手配処理を行った後、確定情報に基づき納入を指示する仕組みが内示・確定ですが、内示が確定するまでに発注数量が2割近く増減することがあり、変動に対応したオペレーションが必要です。

内示情報を活用する上での課題

近年、製造業は、サプライチェーンのデジタル化に取り組んでいます。すでに多くの企業が企業間取引で発生する契約書や受発注書などのやり取りをEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)で行ったり、生産管理システムを導入して業務効率化を図っています。しかし、日本独特の内示情報は、ジャストインタイムの実現に必要不可欠な一方、頻繁に変更されるため、生産管理システムに直接投入するのではなく、Excelなどの表計算ソフトで別管理している企業が多いのが実態です。理由は、内示情報には管理番号のような項目が無く、製品・納入日・数量などの項目で管理するため、消込みが複雑化するためです。その結果、内示情報を含む受注情報を二重で管理することになり、生産計画の効率性・正確性が劣るという問題が発生しています。また表計算ソフトによる管理は、データの洗い替え*も煩雑であり、加えて期間受注数量を稼働日に按分する場合なども経験則による手作業で実施するため手間がかかっています。

  • 洗い替え:古いデータを新しいデータに更新すること
  • -内示・確定における共通課題-

  • (1) 内示情報を基幹システム外で管理を行い、生産計画立案後にシステムに登録している

  • (2) Excelなどの表計算ソフトで管理を行っており、重複したメンテナンスが日々発生し、管理が複雑化している(表計算での管理の限界)

  • (3) 内示の洗い替え時に差数を手作業で確認して生産計画に反映するため時間を要しミスのリスクがある

Factory-ONE 電脳工場MFのアドオンソリューション

MDSOLが開発した「Addon Solution 内示・確定システム」は、株式会社エクスの生産管理システム Factory-ONE 電脳工場MFの拡張機能です。面倒な内示・確定処理を既存の生産管理システムに影響を及ぼすことなく手軽に導入でき、簡単・確実に業務効率化が実現可能です。Factory-ONE 電脳工場MFは、生産管理と販売管理の生販一体型システムになっており、豊富な機能が標準搭載されている一方、内示・確定データの洗い替え機能がないため、今まではお客様毎の要件に合わせ個別に機能開発を行わざるを得ませんでした。そのため、お客様にとってはコスト増となり導入期間も余分に必要でした。「Addon Solution 内示・確定システム」は、内示・確定データの取り扱い、内示の洗い替えと生産計画との連携機能などをFactory-ONE 電脳工場MFの拡張機能として提供することにより、従来必要であった開発工数や導入までの期間が大幅に削減され、コスト低減が可能となります。

「Addon Solution 内示・確定システム」の主な機能

  • (1) 内示取り込み:内示情報を電脳工場に取り込み、古い情報を洗い替える

  • (2) 確定情報取り込み:受注確定情報を電脳工場に取り込み、内示情報は削除する

  • (3) 内示照会:内示情報の詳細を照会する

  • (4) 確定情報照会:受注確定情報の詳細を照会する

  • (5) 内示確定比較照会:内示情報と受注確定情報の数量を横軸カレンダーの形式で照会する

効率的な生産計画立案が可能に

今まで二重管理を行っていた内示情報と確定情報を一元管理することで、生産計画を迅速かつ効率的に立案できるようになります。さらに、部材調達にも内示情報を反映させることで、在庫削減につながるほか、内示と確定受注を対比することで、取引先分析に活用でき、取引先との交渉材料にも利用できます。

「Addon Solution 内示・確定システム」の導入効果

  • (1) 二重管理を行っていた内示を一元管理し効率化を実現

  • (2) 内示を考慮した生産計画の立案作業を迅速かつ効率化

  • (3) 内示数を加味した正確な在庫推移状況の確認が容易

  • (4)部材調達にも内示を反映させることにより在庫削減

  • (5) 内示と確定受注を対比し取引先の内示精度の分析に活用可能

ものづくりとDX

完成車を生産する自動車メーカーを頂点とし、数万点にも及ぶ部品や部材を供給するサプライチェーン網の中で、希望通りに納品するための手法として長年築きあげられた内示による仮発注は優れた仕組みです。一方で、データが変化するため生産管理システムに取り込みづらく多くの生産管理システムの標準機能の外にありました。いわばメーカーとサプライヤーそれぞれのシステムの間にあった課題です。

経済産業省の「2021年版ものづくり白書」によれば、DX推進の自己診断結果を提出した企業のうち95%はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階と回答しており、十分に進んでいるとは言えない現状です。今回ご紹介した「Addon Solution 内示・確定システム」はDXの前段階であるデジタライゼーション(個別業務プロセスのデジタル化)に位置づけられるものですが、このような個々の業務のシステム化を進めることにより、DXへの足固めとなると考えます。三菱電機グループでは、今回ご紹介したソリューション含め、様々な業界のDXに役立つシステムをこれからも開発、提供していきます。

  • Addon Solution 内示・確定システム

    Addon Solution 内示・確定システムは、取引先からの内示情報と確定受注情報をEDIで受け取り、電脳工場MFで受注管理を行う際に役立つ機能群となっています。

    EDI で受けた内示情報と確定受注情報をAddon Solution 内示・確定システムで管理し、内示情報を参照しながら電脳工場MFで生産計画を立案することができるようになります。
    確定受注情報を受けた後には、内示情報から数量でどの程度増減があったのか確認することもできます。

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