クラウドサービスの普及により、ITリソースも”所有”から”利用”が中心となっています。特に近年は、災害時のテレワーク対応や働き方改革の推進などにより場所や利用端末にとらわれないクラウド型の仮想デスクトップサービスに注目が集まっています。三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)では、必要な時に必要な台数をフレキシブルに利用できる「仮想デスクトップ提供サービス CloudMinder WS」を提供しています。
月単位で利用できるメニュー型クラウドサービスを拡充
ネットワーク、クラウドプラットフォーム、セキュリティー、アプリケーションの4つのソリューション領域と、それらを支える運用管理・保守サービスを提供するMIND。ITリソースの潮流が"所有"から"利用"へと大きく変わる中、近年はクラウドサービスに注力し、2019年4月にはMINDの共用型クラウドサービスを提供する部門を集約し、「クラウドシステム部」を立ち上げました。
2019年5月に月単位で仮想サーバー環境を利用するサーバー提供サービス(IaaS)のCloudMinder CR、仮想デスクトップ提供サービス(DaaS)のCloudMinder WS、大容量ストレージ提供サービス(STaaS)のCloudMinder DSと、クラウドサービスのラインアップを拡充。クラウドプラットフォーム事業部 クラウドシステム部長の青木君仁氏は次のように語ります。
「ビジネスの変化が激しくなる中、お客様からはすぐに環境を用意して、アジャイル的にアプリケーション開発ができ、不要になったら止めることもできるクラウドサービスを使いたいという要望が増えています。その声に応えるために共用型クラウドの専門部隊を立ち上げ、メニュー型のクラウドサービスを集約・拡充しました」
お客様の要求に応える形で、MINDが提供しているのが、仮想デスクトップ提供サービスCloudMinder WSです。様々な場所や端末から、インターネット経由でクラウド上の自分のデスクトップ環境にアクセスできるので、災害や鉄道の計画運休などの影響で出社できなくなった場合の在宅ワークやリモートワークといった働き方改革の観点からも注目度が高く2020年夏季期間の都内交通機関混雑の緩和施策としても導入する企業が増えています。
3タイプのデスクトップ環境から業務にあわせて選択が可能
仮想デスクトップ提供サービス CloudMinder WSの大きな特長は、MINDが構築・運用を代行することです。ハードウエアはもちろんのこと、仮想デスクトップの構成管理、WSUS(Windows Server Update Services)サーバーやユーザー領域保存サーバーなどのWindows OS管理支援まで熟練したMINDの技術者が対応します。お客様からの問い合わせに対しても、クラウドサービス全般に対応するMIND統合運用管制センターが24時間365日体制で対応可能です。
MINDが提供しているファイルサーバーやリモートストレージなどとシームレスに連携でき、各種サービスをワンストップで利用できるのもメリットです。MINDのデータセンターを利用しているお客様であれば、新たにネットワーク環境を整備することなく低コストで利用できます。
CloudMinder WSのサービス基盤には、仮想デスクトップソフトで実績のあるVMware Horizonを採用。デスクトップ環境としては、以下の3タイプを用意しています。
①専用デスクトップ
ユーザーごとに割り当てたOSとアプリケーションを専用で利用する方式。物理PCと同様、ユーザーによるアプリケーションのインストールが可能。利用するアプリケーションが特殊な研究者や技術者向き。
②共通デスクトップ
他のユーザーと共通のデスクトップ環境にログオンし、共通のOSとアプリケーション環境を利用する方式。環境設定情報とユーザーデータは独自に保持できる。営業、間接部門、SEなどベーシックなアプリケーションを使う一般的なオフィス業務担当者向き。
③KIOSK端末
OSとアプリケーションを共用。ユーザーデータ保存領域は持たず、ログオン中に作成したデータはログオフ時に削除される。管理者が指定したアプリケーションのみが利用可能。生産ラインや、利用アプリケーションが限定された部門向き。
3つのタイプは、自由度と性能を求めるなら専用タイプ、コストパフォーマンスと運用効率を優先するなら共通タイプ、セキュリティーを重視するならKIOSKタイプと、用途によって選択ができます。クラウドプラットフォーム事業部 クラウドシステム部 サービス課長の古川良寛氏は「3つのタイプは混在利用もできるので、それぞれをユーザーの用途に応じて使い分けることでコストの最適化が実現します。MINDのデータセンターは関東地区と関西地区にあるので、組み合わせて利用いただければ、BCP対策にもなります。メインサイトは専用デスクトップで運用し、DRサイトに最低限のオペレーションができるKIOSK端末を導入しているお客様もいらっしゃいます」と語ります。
DCサービスからパブリッククラウドまでワンストップでインフラ環境を提供
仮想デスクトップ提供サービス CloudMinder WSは、2019年5月のリリース以来、働き方改革の推進やWindows 10への移行、セキュリティー向上など、様々な目的で多くのお客様に利用されています。
本サービスの大きなメリットは、エンドユーザーが多様な働き方を実現できるだけでなく情報システム部門の業務負荷が軽減されることにあります。従来のFAT端末は、PCのセットアップ、パッチ適用、アプリケーションの管理、故障時の対応などはすべて情報システム部門が端末1台1台に対応する必要がありました。数百台、数千台のPCを保有する企業では、PCの管理だけでも相当の工数となっています。仮想デスクトップであればユーザーのPC環境が集約されているので一括対応が可能で、業務負荷が軽減できます。クラウドプラットフォーム事業部 クラウドシステム部 サービス課の木島勝弘氏は「仮想デスクトップであればPCの故障時は新しい端末に入れ替えるだけでよく、再セットアップやデータの移行、メールの移行などは不要です。アプリケーション管理もマスター単位の一括対応が可能で、パッチの適用やOSのバージョンアップもユーザーに対応を促す必要がありません。ウイルスチェックやバージョンアップで一定時間PCが使用できないこともなく、業務に支障が出ることもありません」と話します。
企業のクラウド活用の面でも、様々なソリューションを提供しているMINDに一元化することで大きなメリットが得られます。クラウドファーストの流れの中で、Amazon Web Services(AWS)の利活用についての相談も増えていることから、MINDは「パブリッククラウド導入・運用支援サービス for AWS」をリリースしました。このサービスを提供するにあたり、AWS認定技術者を増強し、サポート体制を強化しました。さらに、MINDデータセンターからパブリッククラウドへ閉域ネットワークで接続するサービス CloudMinder PXを提供しています。
「当社の強みは、従来型のハウジングやホスティングサービス、専用型IaaS のValue Platform on Demand、共用型クラウドサービスのCloudMinderシリーズ、パブリッククラウドのAWSをワンストップで提供できることです。お客様はそれらを使い分けてシステムの構築や新たに技術を試すことができます」(青木氏)
MINDでは今後も仮想デスクトップ提供サービスをはじめとする様々なクラウドサービスを見直し、お客様のビジネスを支援していきます。