営業活動やマーケティング活動の効率化に欠かせない名刺管理ツール。関心はあるものの、効果的な活用や運用に対する不安を抱いている企業も少なくありません。デジタルマーケティング基盤の構築・運用支援サービスを提供する三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)では、クラウド名刺管理サービス「Sansan」の導入・運用を支援しています。三菱電機グループへSansanの導入を進め、デジタルマーケティングの強化を推進しています。
目次
Sansanのコンサルティングから導入、運用、定着までを支援
ネットワーク、クラウド、セキュリティ、アプリケーションの4領域で製品・サービスを提供するMINDは、顧客管理(CRM) / 営業支援(SFA)システムのSalesforceを中心としたデジタルマーケティング基盤の構築・運用支援サービスを提供しています。また、法人向け市場で80%以上のシェアがあるクラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供しています。Sansanは、機能が豊富で、人物に紐付く企業情報や、企業のニュースリリースなどの付帯情報を得ることも可能です。MINDでは、顧客の購買行動変化への対応や属人化された営業業務の改革を目的に、2017年からSalesforceの利用を開始し、2018年にはSansanを導入して顧客接点の拡大に取り組んできました。MIND 営業本部 電機ビジネス営業第二部の神戸健氏は「営業DXには顧客接点中心の考え方が不可欠であり、顧客に関するあらゆる情報を統合的に管理することが必要です。その中でSansanは、デジタルマーケティングの入口になるもので、組織的な営業活動に欠かせないツールです」と語ります。
また、同部門の土屋隆氏は、MINDの強みについて、次のように話します。「MINDは、Sansanのコンサルティングから導入、運用、定着支援までをワンストップで提供できます。また、SansanだけでなくSalesforceなどのSFA/CRMやデジタルマーケティング基盤の構築までセットで対応でき、周辺システムと連携したシステム提案が可能です。導入後も運用・活用サポート支援を行い、お客様の有効活用と負荷軽減を実現します」
三菱電機グループがSansanを導入
三菱電機グループでは、2019年からSansanの導入を開始し、2021年12月末時点で、三菱電機を含む10社が利用しています。三菱電機でSansanの社内展開を推進する三菱電機 プロセス・オペレーション改革本部 ITシステム推進室 経営システム部 営業システム一Gの小川晃司氏は次のように語ります。
「Sansanの導入目的に、営業業務の効率化やCRMの強化が挙げられます。Sansanの導入により、名刺情報を属人的な管理から組織的な管理に移行し、企業資産として活用するとともに、CRMと連携して営業力を強化したいという声に応えています」
名刺のデジタル化で部門をまたいだ情報共有を実現
三菱電機グループがSansanの利用を開始して2年が経過した現在、様々な効果が生まれています。その中でも三菱電機が特に実感している効果は、部門をまたいだ情報共有ができることです。三菱電機 プロセス・オペレーション改革本部 ITシステム推進室 経営システム部 営業システム一Gの相原早紀氏は「当社は事業部制を採用している経緯もあり、事業部間で営業情報を共有・活用するための環境整備が十分ではありませんでした。その中で、まずは名刺情報を共有することで、営業情報活用の一歩を踏み出すことができました」と語ります。
Sansanは、名刺のデータベース化の他にも、公開された人事異動情報や他部署が入手した名刺情報によってデータベースを常に新しい状態に保ったり、名刺情報に関連する企業のニュース表示などの機能を有しています。その中でユーザーから好評な機能が、スマートフォンアプリとオンライン名刺です。三菱電機 プロセス・オペレーション改革本部 ITシステム推進室 経営システム部 営業システム一G 青木なほ氏は次のように語ります。
「複数枚の名刺を同時にスマートフォンのカメラで撮影してデータ化することができるため、ユーザーから好評です。また、新型コロナウイルス感染症によって営業活動に変化が求められる中、URLを伝えるだけで誰とでも名刺交換ができるオンライン名刺に関心が高まっており、ニューノーマル時代における強力なツールの一つになると思います」
先行してSansanを利用しているMINDでも、業務の効率化や情報活用のメリットを実感しています。MIND 営業本部 電機ビジネス営業第二部の中畔瑳雪氏は次のように語ります。
「スマートフォンからも名刺情報にアクセスできるため、外出先でも助かっています。情報活用の面でも非常に有用です。それまで部門内で閉じていた名刺情報を、社内全体で情報共有できるようになり、新しい営業ルートを開拓することができました」
一方、運用面では、スキャナーの故障対応やスキャナーと連動したWindowsタブレットの管理が必要になります。MIND 経営システム事業部 デジタルマーケティング推進部の深澤大輔氏は「サービスについてはほとんどトラブルがありませんが、スキャナーは物理的な故障が避けられません。また、タブレットのOSをアップデートするなど、適切に対応する必要があります」と語ります。
さらに、人事異動のたびに必要となるSansanユーザーの追加、削除などにも負荷がかかります。Sansanにはユーザーの管理機能はあるものの、三菱電機グループの組織構造や利用形態にマッチした管理機能が装備されているわけではないため、手作業で運用する必要があります。
「そこでMINDでは、スキャナーの故障対応、タブレットのOSアップデート、ユーザー管理など、運用部門の負荷軽減となるサービスを提供しています。他にも、利用説明会の開催などユーザーの満足度向上につながる運用支援サービスを提供しています。単に運用支援サービスの提供をするだけでなく、Sansan社に対して機能追加や改善のリクエストもしています。これにより、さらなる利便性の向上を図っています」(深澤氏)
営業DXに向けて国内外の三菱電機グループに展開
今後MINDでは、Sansanを三菱電機グループのみならず、グループ以外の企業に対しても、これまで培ったノウハウを活かし、導入サービス、運用支援の提供をめざします。
「Sansanは、顧客接点の活用と業務の効率化に欠かせないツールで、Sansan単独でも十分に価値があります。さらにCRMやデジタルマーケティングと連携することで、情報発信と顧客創出を効果的に実施でき、商談の把握やリードの獲得につながり、より大きな効果が期待できます。引き続きお客様のビジネスに貢献していきます」(土屋氏)
Sansanによる名刺管理は、これからデジタルマーケティングを始める企業や、CRMとの連携強化を考える企業にとって、最初の一歩となるはずです。
- ※本記事は、情報誌「MELTOPIA(No.261)」に掲載した内容を転載したものです。