メルトピア

経営基盤を強化するIT戦略

三菱電機メルトピア。様々な事例がご覧いただけます。

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  • 導入事例
  • 2017年 7月号(No.228)
  • 南都コンピュータサービス株式会社
  • 給与受託計算システム事例
  • パッケージベースの給与計算システムで
    受託サービス担当者の負荷を軽減し
    事業成長に向けた新規顧客開拓を開始

奈良市に本店を置く南都銀行の情報処理サービス会社として、各種システムの開発、運用を手がける南都コンピュータサービス株式会社。給与計算業務の受託サービスを手がける同社は、長年にわたりオフコンベースの給与計算システムで運用を 続けてきました。しかし、今後想定される各種制度変更やマイナンバー制度に柔軟に対応するため、株式会社三菱電機ビジネスシステム(MB)の「給与指南」を中核とした給与受託計算システムを新たに構築しました。その結果、運用面における大幅な省力化とともに、顧客満足度の向上やCOBOL技術者の有効活用、さらなる事業拡大に向けた活動が実現されました。

南都コンピュータサービス株式会社

給与受託計算システムを刷新した
南都コンピュータサービス株式会社

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取締役社長
西本 英明

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部長代理
吉岡 聰

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課長代理
吉田 正行

制度改正時の負荷軽減に向け
パッケージへの移行を検討

 南都コンピュータサービスは、奈良県を中心に関西圏で138店舗、海外で2拠点を展開する南都銀行のグループ会社です。同行のシステム部門から独立する形で1986年に発足して以来、バンキングシステムの開発・運用から、一般企業や地方自治体向けのシステム開発・運用、各種受託計算業務まで多角的なビジネスを展開しています。近年は、受託型ビジネスに注力しており、中でも重要な柱となっているのが「給与計算サービス」です。取締役社長の西本英明氏は次のように説明します。
 「マイナス金利時代で銀行業界全体の収益率が低下しています。そこで、当社は外部向けのビジネスの拡大を図っています。中でも給与計算サービスは、あらゆる事業において求められ、アウトソーシングの潜在的な需要が見込まれることから、当社のコアビジネスになるように注力することを決断しました」
 給与計算サービスの受託先は2017年3月現在67社にのぼり、約4600名分の給与計算業務を同社が代行しています。特に事業強化に乗り出した2015年からは、年間10社ほど受託先が増加しています。
 ところが、給与計算サービスを支えるシステムには課題がありました。部長代理の吉岡聰氏は次のように振り返ります。
 「従来システムは、30年以上使用しているオフコンベースで、プログラム言語はCOBOLでした。そのため制度改正などがあると、プログラムを改修しなければなりません。こうしたプログラム変更は大きな負担となっていました」
 この課題の解決に向けて同社は、制度改正に応じて機能が更新されるWindowsベースのパッケージシステムに移行することを決断。吉岡氏は「マイナンバー制度対応も迫っていたため、併せてマイナンバーを安全に保管する機能も追加することにしました」と付け加えます。

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従来の給与計算サービスとの
適合率の高さを評価

 2015年10月からパッケージの選定を開始した南都コンピュータサービスは、業務への適合率、処理する人数の規模、コスト面などを総合的に判断してMBの「給与指南」の導入を決定しました。その理由を吉岡氏は「ひとつのパッケージで複数の受託先の処理ができること、複数の年度をまたがる情報を参照できる使い勝手のよさ、人数や受託数によるライセンス制限がなかったことが決め手になりました」と説明します。
 マイナンバーの管理には、給与指南との親和性を鑑みてMBの「パッケージプラス®マイナンバーロッカーシステム」、受託先の企業に提出する各種帳票データの作成、印刷、保管には、さらなる効率化を図るためにMBの提案を受けて電子帳票システム「e-image」を採用しました。
 新システムへの移行は、段階的に切り替える方針とし、1社目のシステム構築は2016年8月から運用を開始しました。課長代理の吉田正行氏は、「従来システムと並行稼働しながら、給与指南のパラメーターやデータベースのテーブル設定を2社目以降の受託先に合うようにできる限り共通化を図ってテンプレート化し、展開時の個別設定を削減する工夫を凝らしました」と語ります。
 また、受託先から受け取った勤怠管理データを給与指南に取り込む受入システムと、受託先に提出する月例給与、賞与、年末調整の各データ作成までの出力システムは給与指南の連携機能を使って自社開発しました。
 2016年8月以降、1社目で作成した設定のテンプレートをベースに順次、システムの切り替えを進めています。2017年度中には既存の受託先はすべて移行を終える予定です。
 「1社目では、MBのSEに仕様を伝えてパラメーターを設定していただきましたが、2社目以降は自社で設定しています。COBOLの開発に慣れている私どもにとって、COBOL上での動作を給与指南のパラメーターに置き換えることに最初は戸惑ったものの、MBのCRC(カスタマ・リレーション・センター)やMBの支社のサポートによってスムーズに切り替えが進みました」(吉田氏)

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業務時間の大幅な短縮と
顧客サービスの向上を実現

 給与受託計算システムにより、従来システムで発生していた制度改正対応は給与指南パッケージで解決され、担当者の負荷は大幅に削減されました。また、Windowsベースのパッケージシステムに移行したことにより、サブシステムとのシームレスな連携を実現し、給与計算から印刷、データ保存までの業務がワンストップで対応できるようになりました。
 マイナンバーについてはすでに全受託先のデータが給与指南と連携する「パッケージプラス®マイナンバーロッカーシステム」で管理する環境に移行。帳票印刷時は給与指南から「マイナンバーロッカーAPI」に対して取得をリクエストし、マイナンバー付きの帳票を出力しています。また、e-imageでは、帳票データを事業所別に自動的に仕分けて保管し、必要に応じて請負先にネットワーク経由またはメディアを介してPDFファイルで提供しています。
 導入効果について、吉岡氏は「制度改正対応やデータ連携などすべて含めて、2割ほどの業務量が削減できました。帳票類の変更もCOBOLでプログラムを書き換える必要がなくなり、大幅な工数削減を実現しています。マイナンバー対応についても、大きな負荷がかかりませんでした」と効果を語ります。
 システム開発と運用の業務量が削減できたことで、業務担当者の数を増やすことなく給与計算サービスの新規顧客の拡大に向けた体制を整えることができました。西本氏は「従来システムの移行を完了した2017年度以降、新規顧客開拓に向けた営業活動を本格化する計画です。高いスキルを備えたCOBOL技術者を給与計算システムの業務からCOBOLが不可欠なバンキングシステムの開発に投入できるようになったことも大きなメリットです」と語ります。
 さらに今回のシステム導入時にWeb明細の機能も別途開発し、受託先に対して紙の給与明細表だけでなく、Webからも配信・閲覧ができるようにしました。その結果、サービスの充実につながり、顧客満足度も向上しています。

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給与計算サービスを拡大することで
南都銀行グループのビジネスにも貢献

 南都コンピュータサービスは、今後も給与計算サービスの受託先を拡大していく方針です。中期経営計画では2018年度に6000名の受託を獲得することを目標に掲げています。
 また、南都銀行グループのビジネスを支えていくことにも期待されています。西本氏は「給与計算サービスは、銀行営業のドアノックツールとしても有効であるため、南都銀行のお客様の案件獲得や、融資拡大に貢献していきたいと考えています」と語ります。
 南都コンピュータサービスは、地元企業の事務合理化・経営効率化を推進するよきパートナーとして、今後も優れたソリューションやサービスを提供していきます。

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システム構成イメージ

■システム構成イメージ

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