三菱電機株式会社は、工場の生産設備や産業機械などを制御する産業用コントローラーに仮想化(Virtual Machine:以下、VM)技術を適用して、1つのコントローラー上で複数の制御ソフトウエアを実行できる「制御ソフトウエア資産継承型コントローラー基盤技術」を開発しました。
この技術は、異なるOSを1つの共通コントローラー上で実行できるため、種類やバージョンの異なるOS上で動作する新旧の制御ソフトウエアの共存実行が可能で、制御ソフトウエアの統合も容易に行えます。また、ハードウエアの更新に伴うソフトウエアの再開発も不要になるので、制御ソフトウエア資産を有効活用できます。
主な開発成果
1. | 組み込みリアルタイムVMにより、複数の制御ソフトウエアを共存実行 ・ 複数の制御ソフトウエアを1つの共通コントローラー上で共存実行 ・ 制御ソフトウエアが採用するOSは、種類やバージョンの異なるリアルタイムOSを搭載 ・ 各リアルタイムOSの割込応答性能は、10マイクロ秒以下※1
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2. | リアルタイム連携通信により、制御ソフトウエアを連携動作 ・ 共通コントローラー上で制御ソフトウエア間のリアルタイム通信が可能 ・ リアルタイム通信は外部のネットワークを介さずに実行 ・ データ転送速度は従来比※2最大約10倍と高速
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3. | コントローラー全体を停止せず、各制御ソフトウエアの単独再起動が可能 ・ 各制御ソフトウエアを、動作するリアルタイムOS単位で単独再起動が可能 ・ 再起動にあたり、コントローラー全体の停止は不要 |
今後の展開
当社産業用コントローラーへの適用を検討中です。
特許
国内15件、海外2件 出願済