三菱電機株式会社は、複数の鉄道変電所の電圧を最適制御することにより、列車回生電力を有効活用し、鉄道システム全体の消費電力量を削減する「列車回生電力融通技術」を開発しました。
開発の特長
- 鉄道変電所ごとの電圧制御により、回生電力を列車間で最大限に融通
- ・TIMS(車両情報統合管理装置)がもつ列車の走行位置や電力需給などの情報を活用
- ・関連する変電所の電圧をリアルタイムに変更して、回生電力を列車間で最大限に融通
- 鉄道システム全体の消費電力量を最大5%削減
- ・列車回生電力の有効活用により、鉄道システム全体で最大5%消費電力を削減※1
- ・回生電力の融通先がないことにより架線電圧が過大となるのを防ぐために行われていた回生電力の絞り込み(熱としての廃棄)を最大80%削減※1。
- ※1:首都圏での過密線区を想定した路線モデルでの当社シミュレーション
- 駅舎補助電源装置や電力貯蔵システム等と組み合わせ、さらなる省エネも可能
- ・回生電力が余剰となる場合でも、駅舎での回生電力利用や蓄電池を使った電力貯蔵システムなどとの併用により、100%有効利用することも可能
開発の概要
機能 | 性能 | |
今回 | 列車の位置や加減速の状態をもとに変電所の電圧を最適制御 | 回生電力を有効活用し、鉄道システムの消費電力量を最大5%削減、回生電力絞り込みを80%削減 |
従来 | 列車の位置や状態によらず、変電所の電圧は固定 | 電圧が高く固定され、列車は必要な電力を確実に得られる反面、回生電力の絞り込みが発生 |
今後の展開
2014年度の事業化を目指します。