三菱電機株式会社は、医療法人伯鳳会(理事長:古城 資久、兵庫県赤穂市)から、がん治療に使用される新型粒子線治療装置(陽子タイプ)を受注しました。大阪市此花区に2016年4月開設予定の「大阪陽子線クリニック(仮称)」に導入されます。大阪府内に粒子線治療装置が導入されるのは初めてです。
受注の背景
今回受注した新型粒子線治療装置(陽子タイプ)は、都市部などの狭い敷地にも設置できる2階建て構造です。
また、患部への照射時間短縮により患者負担を軽減する「高線量率照射」や「ユニバーサルノズル」などの新機能は、自社内検証機で薬事承認の早期取得に向けて各種試験を進めています。施設の早期稼働を図るため、人材育成などの施設立ち上げの支援も行います。
医療法人伯鳳会は、社会福祉法人大阪暁明館、社会福祉法人玄武会とともに伯鳳会グループの中心として、50年の長きにわたり地域に根差して保健・医療・福祉業務を行っています。今回の陽子線施設の導入は「最良の設備、環境を整える。」という同グループの基本理念に基づくもので、引き続き、地域社会に対する「平等医療」の提供を推進していくものと期待されています。
納入する施設について
大阪陽子線クリニック(仮称)は、社会福祉法人大阪暁明館病院近くに整備される計画で、同病院と連携し、年間300人の患者数を見込んでいます。
当社の粒子線治療装置への取り組み
現在、国内の医療機関11施設で粒子線治療装置による治療や臨床研究が行われており、当社はこのうち8施設に装置を納入し、現在までに16,000人以上が当社製装置で治療を受けています。
今回の医療法人伯鳳会との契約は、今年2件目の粒子線治療装置受注で、国内では10施設が当社製になります。
当社は、今回の新型粒子線治療装置(陽子タイプ)を国内はじめ、海外にも展開し、病院関係者からの要望を基に本体装置や支援機能などを開発しています。
より多くの患者を治療できる装置の提供と、粒子線治療施設の運営に必要な人材の育成支援や施設間の連携支援など、運用面も含め、粒子線治療の普及促進に取り組んでいきます。
原子力・医療システム事業部 先端・医療システム部
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