三菱電機株式会社は、独自の成形技術により人工衛星用CFRP※1複合材料を低コスト化し、民生製品に応用する技術を開発しました。この技術により、民生製品をさまざまな形状に成形し、軽量化・高機能化することで、機器の省エネも実現します。この技術は2014年度に超高速エレベーターや産業用換気扇に適用予定です。
- ※1:Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)
開発の特長
- CFRP素材の低コスト化により、民生製品の軽量化と省エネを実現
- ・真空含浸成形(VaRTM:バータム)法※2により、人工衛星用CFRPと比べ、材料や製造のコストを大幅に低減
- ・低コスト化により、CFRP複合材料を民生製品に応用
- ・高強度で比重の軽いCFRPを使うことで、民生製品の重量を、鉄に比べて50%以上、アルミに比べて30%以上軽量化できることから、動力などの省エネを実現
- ※2:炭素繊維をフィルムでつつみ、内部の空気を抜いて真空状態にしながら粘性の低い樹脂を注入して繊維に樹脂を浸して含ませる手法
- CFRP素材の製造方法や自由度を生かし、機器の製造の効率化と高機能化を実現
- ・断熱材などの他材料の表面にCFRPを接着させたり、CFRP材料(繊維・樹脂)に他材料を混ぜて固めたりする製造方法で、機器の製造工程の手間を省くことが可能
- ・従来の金属素材では変更できなかった厚さや形状を自由に変更でき、機器の高機能化を実現
開発の概要
エレベーター用ガイドカバー | 鉄道車両用空調機カバー | |
CFRP製 | 54 | 43 |
金属製 | 100 | 100 |
今後の展開
2014年度に超高速エレベーター、産業用換気扇に適用します。