三菱電機株式会社は、配電系統の三相個別高速解析により配電機器をリアルタイムに集中制御して電力損失を約50%低減する「配電系統の電力損失低減技術」を開発しました。これにより、電力事業者の供給電力量を削減でき、発電コスト低減に貢献します。
本技術は、当社スマートグリッド・スマートコミュニティ実証実験による開発成果です。
開発の特長
- 電気の流れを三相個別に高速解析し、配電機器をリアルタイムに集中制御
- ・従来の三相平均値解析を三相個別解析へ拡張し、電圧分布・電力損失を詳細に把握
- ・三相個別解析により増大する計算を新開発の三相潮流計算ソフトにより約100倍高速化※1
- ・オンラインで配電機器をリアルタイムに集中制御
- ※1:1配電線あたりの計算時間を従来60ミリ秒から0.42ミリ秒に
- 三相不平衡是正と無駄な電流消費抑制により、電力損失を約50%低減
- ・三線バランス改善装置のリアルタイム集中制御により三相不平衡(電圧・電流)を是正し、配電線での電力損失を約50%低減※2
- ※2:国内で年間約1万GWhの削減効果(当社シミュレーションによる)
- 三相全ての電圧を適正維持
- ・電圧調整装置と三相バランス改善装置のリアルタイム集中制御により、三相全てで適正電圧を維持
開発の概要
機能 | 性能 | |
今回 | 三相個別解析によるリアルタイム集中制御 | ・三相全ての電圧安定化、電力損失低減 ・リアルタイム集中制御が可能な高速解析 ・全配電機器の協調制御 |
従来 | 三相平均解析によるローカル制御 | ・三相平均値の電圧安定化 ・配電機器個別の独立制御 |