三菱電機株式会社は、欧州などのAC400V系電源のインバーターシステムでIGBTなどのパワー半導体を駆動するHVIC※1の新製品として、業界最高水準の1200Vの高耐圧を実現し、不飽和電圧(デサット)検出機能を搭載した「M81748FP」を3月31日に発売します。
- ※1High Voltage Integrated Circuit:パワー半導体素子の駆動機能と保護機能を内蔵した高耐圧集積回路
新商品の特長
- デサット検出機能を搭載し、パワー半導体の電力損失の低減化に貢献
- ・1200V高耐圧のPチャネルMOSFET※2の搭載により、ハイサイド/ローサイド側の双方にデサット検出機能を内蔵し、パワー半導体の熱破壊を防止
- ・ハイサイド側のパワー半導体の短絡・地絡を直接検知し、ローサイド側へ信号を伝達し、システムを遮断
- ・シャント抵抗※3方式による短絡保護に比べて150Aクラス以上の定格に適し、パワー半導体の電力損失低減に貢献
- ※2Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor
- ※3短絡電流を検出する抵抗器
- AC400V系電源のインバーターシステムに適用可能な1200V高耐圧を実現
- ・1200V耐圧分割RESURF構造※4により、リーク電流※5を10μA以下に抑制
- ・チップ表面に新たにPolyRFP※6を採用し、安定した高耐圧特性を実現
- ※4Reduced surface field:最適なチップ表面構造により、半導体のpn接合部への電界集中を抑制
- ※5半導体の電気的に絶縁された接合部位に流れる微弱な電流
- ※6Polycrystalline silicon resistor field plate:
高電圧回路部を囲う高耐圧部の表面にポリシリコン抵抗を用いて電界分布を均一化する構造
- 高ノイズ耐性により、インバーターシステムの信頼性向上に寄与
- ・スイッチング時のラッチアップ誤動作※7を抑制する埋め込み層※8の採用で高ノイズ耐性を実現し、システムの信頼性向上に寄与
- ※7複数の素子が同一チップ上に形成されているため、ノイズなどにより相互に影響し合い誤動作に至る現象
- ※8素子直下に設けられた低抵抗拡散層。素子間直下のインピーダンスを低減でき、ノイズの影響を抑制する
発売の概要
製品名 | 形名 | 概要 | サンプル価格 (税抜き) |
発売日 |
デサット検出機能付 HVIC |
M81748FP | 1200V/2.0A | 260円 | 3月31日 |
お問い合わせ先
三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 パワーデバイス営業部
TEL: (03)3218-3239 FAX: (03)3218-2723