三菱電機株式会社は、3次元センサー搭載のタブレットPCを用いて、オフィス・工場の内部や、エレベーター昇降路など比較的広い空間の3次元モデルを高精度かつ高速に構築できる「3次元モデル再構成技術」を開発しました。装置の搬入・置き換えや構造物の接触検知に必要となる現場での計測作業や図面作成が容易となり、現場のリニューアルの効率化に貢献します。
開発の特長
- 複数の3次元画像データを正確に接続する技術を確立
- ・撮影と距離計測を同時に行う3次元センサーを搭載したタブレットPCを用いて、現場で撮影した奥行き情報のある点群データから面データを自動的に抽出
- ・隣接する複数の画像の面データを接続し、一つのまとまった3次元モデルを構築
- ・従来使われてきた点データだけではなく面データも用いて位置合わせを行うことで、誤差の少ない高精度の3次元モデルを実現
- 現場の3次元モデルを高速で構築
- ・1秒間に4画像を処理できる独自ソフトウェアの開発により、タブレットPCに3次元モデルを高速で構築
- ・3次元モデル上で構造物間距離の計測や接触検知を行うことで、現場作業の効率化に貢献
- ・3次元画像データ接続の失敗をアラームで告知し、計測漏れなどのミスを防止
開発の概要
機能(構造物間の距離計測の場合) | 効果・課題 | |
今回 | 3次元センサーを用いて、面データによる3次元モデルを構築し、このモデル上で距離計測 | 広い現場空間の3次元モデルを高精度かつ高速に構築し、任意の地点間の距離計測が可能 |
従来 | ポイントレーザーを用いた直接距離計測 | 2点間の距離は精度よく計測できるが、多くの地点間の距離を測定するには時間を要する |
3次元センサーを用いて、点群データによる3次元モデルを構築し、このモデル上で距離計測 | 限られた現場空間の3次元モデルを構築し、任意の地点間の距離計測が可能 |
今後の展開
エレベーター昇降路を対象にした3次元測定ツールの2018年度製品化を目指します。