三菱電機株式会社は、カーナビゲーションなどに搭載されているハンズフリー通話の雑音による音声通話品質の劣化を大幅に改善する雑音除去技術を開発しました。従来困難であったウインカーやワイパーの作動音などの非定常雑音を含む雑音を96%取り除き、聞き取りやすい音声通話の実現に貢献します。
開発の特長
- 精密な音声モデルを構築し、機械学習を利用
- ・人の声帯の振動や口腔の形状で決まる音声の特徴を活用して音声モデルを構築
- ・音声モデルをもとに、様々な雑音が混在する音から目的の音声信号のみを抽出する機械学習技術(ニューラルネットワーク)を確立
- 雑音を96%除去し、聞き取りやすい音声を実現
- ・大量の実データを用いて学習し、実際に車を運転する際に含まれる非定常な雑音にも対応
- ・雑音が混じった音から、雑音の96%を除去。音声の聞き取りやすさの主観評価指標であるMOS値(Mean Opinion Score)を0.7ポイント改善※
- ※:複数の評価者が雑音除去前後の音声を聞き比べ、全員が改善を実感するレベル
開発の概要
定常雑音 | 非定常雑音 | 効果 | |
本方式 | 除去 | 除去 | 車内雑音の96%を除去 |
従来方式 | 除去 | 残存 | 車内雑音の78%を除去 |
今後の展開
2018年ごろに車載機器への搭載を目指します。さらに、雑音の多い工場の現場やエレベーター内での音声通話への適用も検討します。