三菱電機株式会社は、伝送速度100Gbps※1 の高速光通信で使用される送信用光源デバイスとして、広い温度範囲で動作する「25Gbps光通信用DFBレーザー※2 」を開発しました。今回の開発により、25Gbps光通信用レーザーを4つ搭載する100Gbps高速光通信機器の低消費電力化・高性能化・設計簡素化に貢献します。
この開発成果は、「Optical Fiber Communication Conference and Exposition 2015」(2015年3月22〜26日、於:米国・ロサンゼルス)にて発表する予定です。
- ※1Gbps(Giga-bits per seconds):1秒間に10億個のデジタル符号を伝送できる通信レートの単位
- ※2DFB(Distributed Feed-Back)レーザー:分布帰還型レーザー。レーザー内部に回折格子を備え、
特定の波長で光信号を取り出す構造
図1 25Gbps 光通信用DFBレーザーの概略図
開発の特長
- 高温動作時でも高光出力を実現し、光通信機器の低消費電力化・高性能化に貢献
- ・高速応答特性を損なうことなく、発光層に効率良く電流注入できる低容量電流狭窄層を開発
- ・従来製品※3 に比べ、発光層への電流注入効率を約12%改善し、高温時(+85℃)でも 10mW以上の高い光出力を実現
- ・高温動作可能によりデバイスの冷却が不要となり、光通信機器の低消費電力化に貢献
- ・合波時に生じる光損失を補うことができる高光出力の実現により、異なる4波長の25Gbps DFBレーザー光を合波する100Gbps光通信用集積型TOSA※4 の高性能化に寄与
- ※310Gbps 光通信用DFBレーザー ML768K42T
- ※4Transmitter Optical Sub Assembly:送信用小型光デバイス
- 広い動作温度範囲で高品質な変調波形を実現し、光通信機器の設計簡素化に貢献
- ・低容量電流狭窄層の開発とDFBレーザー部分の従来製品※3 比75%縮小により、広い動作温度範囲(−20℃〜+85℃)で業界トップレベルの高品質な変調波形(マスクマージン※5 :20%以上)を実現
- ・レーザー駆動回路設計の調整が容易となり、光通信機器の設計簡素化に貢献
- ※5変調波形の品質を表す指標。値が大きいほど品質が優れる
今後の展開
光通信機器の高密度実装化・低消費電力化に対応するため、動作温度範囲のさらなる拡大と、電流から光への変換効率の向上を図ります。
お問い合わせ先
三菱電機株式会社 半導体・デバイス第二事業部 高周波光デバイス営業第ニ部
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