三菱電機株式会社は、電鉄・電力などの大型産業機器向けの次世代大容量パワー半導体モジュールとして、「HVIGBTモジュール Xシリーズ 新型デュアル」を開発しました。次世代品として求められるインバーターのさらなる高出力・高効率化や、他社品との外形パッケージの共通化によるインバーターシステムの設計効率化に貢献します。サンプル提供は、耐電圧3.3kV(パッケージタイプLV100)を2017年3月に開始し、1.7kV品・3.3kV品(パッケージタイプHV100)・4.5kV品・6.5kV品を2018年以降に順次開始します。また、1.7kV未満の製品開発も計画しています。
なお、本製品は「TECHNO-FRONTIER 2016 第34回モータ技術展」(4月20日〜22日、於:幕張メッセ)、「PCIM※1 -Europe 2016」(5月10日〜12日、於:ドイツ連邦共和国・ニュルンベルク)、「PCIM-Asia 2016」(6月28日〜30日、於:中華人民共和国・上海)に出展します。
- ※1PCIM:Power Conversion Intelligent Motion
開発品の特長
- 電力損失の低減によりインバーターの高出力・高効率化に貢献
- ・CSTBTTM※2 構造を採用した第7世代IGBT・RFCダイオード※3 の搭載と、内部インダクタンスを低減するパッケージ構造の採用により電力損失を低減
- ・AC主電極を3端子に増やすことで電流密度を緩和・均一化し、インバーターの高出力化に貢献(LV100パッケージタイプ)
- ※2キャリア蓄積効果を利用した当社独自のIGBT
- ※3Relaxed Field of Cathode Diode:カソード側に部分的にP層を追加、リカバリー時にホールを注入しリカバリー波形をソフトにすることで急な電圧の立ち上がりを抑制できるダイオード
- 共通外形パッケージにより多様なインバーターの構成・容量に対応
- ・絶縁耐圧が異なる2種類のパッケージタイプ(LV100・HV100)の外形寸法を共通化
- ・端子配列の最適化により並列接続が容易となり、インバーターの設計効率化に貢献
- ・最高耐電圧6.5kV品までの製品をラインアップ
- ・システム構成時の柔軟性・拡張性を向上し、多様なインバーターの構成・容量に対応
- 業界標準を目指した新パッケージによりインバーターの設計効率化に寄与
- ・他社製品※4 と同じ外形寸法で、端子や取り付け位置の互換性も確保
- ※4ドイツの半導体メーカーInfineon Technologies AGの製品 XHP2/XHP3
開発品の概要(予定)
製品名 | パッケージ タイプ |
絶縁耐圧 | 耐電圧 | 最大 定格電流 |
結線 | 外形寸法 | サンプル 提供開始時期 |
HVIGBT モジュール Xシリーズ 新型デュアル |
LV100 | 6kV | 1.7kV | 900A | 2in1 | W:100mm × D:140mm × H:40mm |
2018年以降予定 |
3.3kV | 450A | 2017年3月予定 | |||||
HV100 | 10kV | 3.3kV | 450A | 2018年以降予定 | |||
4.5kV | 330A | 2018年以降予定 | |||||
6.5kV | 225A | 2018年以降予定 |
お問い合わせ先
三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 パワーデバイス営業部
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