三菱電機株式会社は、タービン発電機において、発電機全体の運転状況を詳細に把握できる大規模解析技術を開発しました。世界最大規模※ の3000万メッシュの電磁界解析や、熱流体解析、構造解析との連携により、発電機の損失低減・冷却効率向上による高効率化と、温度・振動低減による信頼性向上を実現し、電力の安定供給に貢献します。
- ※2017年5月24日現在(当社調べ)
開発の特長
- 世界最大規模の電磁界解析により、発電機の電磁損失分布を詳細把握
- ・独自のメッシュ分割と領域分割法により3000万メッシュの大規模解析を実現。コイルを形成する約100本の銅線1本ごとの損失を高精度に評価
- ・従来の部品単位での解析に対し、効率に影響が大きい固定子の端部構造をまるごと解析することで電磁損失分布を正確に評価
- 電磁界と熱流体・構造の解析連携により、発電機の温度分布や変形を詳細に予測
- ・電磁界解析で得られた電磁損失分布を、数億ある熱流体の要素にマッピングし、温度分布を高精度に予測
- ・全ての電磁力解析結果を用いた構造解析により、高ノイズや高電圧環境のためセンサーを設置できない部品も含めた全部品の振動挙動を忠実に模擬
開発の概要
解析の特徴 | 内容 | |
今回 | 電磁界:3000万メッシュ 電磁−熱流体、構造間の詳細連携解析 |
電磁界:低損失構造のまるごと評価 熱流体:通風冷却の全体評価 構造 :振動と強度の全体設計 |
従来 | 電磁界:700万メッシュ 電磁、熱流体、構造の単独解析 |
電磁界:低損失構造の個々の部品評価 熱流体:通風冷却の局所評価 構造 :振動と強度の個別設計 |
今後の展開
本開発は、現在の高効率タービン発電機「VP-Xシリーズ」や次期開発機種の解析に順次展開し、2020年頃に発電機全体での連携解析実現を目指します。