三菱電機株式会社は、昇降機製造拠点のマザー工場である稲沢製作所内に、据付技術者の育成を強化するための昇降機据付実習棟を建設します。これにより、グローバルで需要の増加する昇降機の据付品質を向上させ、さらに安心・安全、快適なエレベーターを提供していきます。2018年10月に稼働開始予定で、2020年度までに国内の新設据付技術者数1,000人、海外の据付指導者350人を目指します。
据付実習棟の概要
所在地 | 愛知県稲沢市菱町1番地(三菱電機株式会社 稲沢製作所敷地内) | ||
建築面積 | 411m2 (延床面積2,182m2) | 稼働開始予定 | 2018年10月 |
構造 | 鉄骨造 (地上6階建て) | 投資額 | 9.9億円 |
主な設備 | ・据付実習用昇降路 11本 ・実習用エレベーター8台 ・特別安全教育施設(危険体感設備) |
据付実習棟建設の背景と狙い
当社は、据付の実技研修を国内外関係会社の研修施設で実施していますが、近年の世界の昇降機市場の規模増加に伴い、国内外の据付技術者が不足かつ若年化しており、据付工事に必要な技術者の増員と技能向上が急務となっています。
今回、新たに据付実習棟を建設し、現場環境を模した研修設備を活用した専門教育内容の充実により据付技能を向上させるとともに、VR・AR※技術も取り入れた研修により安全意識をさらに高めるなど、より実践的で効果的な研修体制を構築し、利用者安全・作業者安全を志向した据付技術者の早期育成と据付品質の強化を図ります。
- ※VR:Virtual Reality AR:Augmented Reality
据付実習棟の特長
- 研修カリキュラムの充実による据付技能の早期習得と作業品質の向上
- ・建築現場と同じ環境で実機を用いての実習や、研修カリキュラムの体系化・内容拡充などにより、据付技術・ノウハウの早期習得と質的向上を実現
- ・技術者の技量に応じた認定制度の導入で据付品質を管理
- 現場を模擬した体験実習により、危険感度の向上とさらなる作業安全を実現
- ・VR・AR機器を用いて実際の据付現場で起こり得る危険を体験実習することにより、技術者の危険感度を向上
- ・重量物の搬入や溶接、高所作業など特に安全に配慮が必要な作業について実機を用いて繰り返し実習することで、現場に即した安全な作業要領を習得
- 海外での研修講師の育成強化によるグローバル据付能力の向上
- ・海外の昇降機販売会社の指導者育成プログラムの充実や講師認定制度の確立により、各社の技術・技能や安全教育の質を高め、据付技術者の技術スキル・安全意識を向上