三菱電機株式会社は、世界で初めて※1、3.3kV SiC※2パワー半導体モジュールを適用したMMC※3型HVDC※4 変換器セル(サブモジュール)の技術検証を実施し、変換器の大幅な電力損失低減と小型・軽量化を実現しました。洋上風力発電における長距離・大容量送電を高効率化するとともに、設置面積の制約が大きい洋上プラットフォームへの設置などに貢献します。
- ※12018年2月14日現在、当社調べ
- ※2Silicon Carbide:炭化ケイ素
- ※3Modular Multilevel Converter:変換器セルを多段に直列接続した構成の変換器
- ※4High Voltage Direct Current:高電圧直流
開発の特長
- 電力損失を50%低減し、長距離・大容量送電の高効率化に貢献
- ・SiCパワー半導体モジュールの適用と並列化により、Si(シリコン)製の当社開発品との比較で、電力損失の50%低減を達成
- ・長距離・大容量送電が求められる洋上風力発電の高効率化に貢献
- 変換器セルの小型・軽量化を実現し、設置コスト削減に貢献
- ・SiC適用によりスイッチングに伴う電力損失を最小限に抑え、スイッチングを高周波化
- ・電力の低損失化に伴い、変換器セルの体積21%低減、質量14%軽減※5を検証
- ・小型・軽量化の実現に向け要素技術を確立し、設置場所の省スペース化による設置コストの削減に寄与
- ※5Siパワー半導体モジュールを適用した当社従来技術との比較
開発の概要
技術 | 効果 | |
今回 | SiCパワー半導体モジュールを適用 スイッチング周波数:約350Hzの高周波スイッチング |
電力損失:0.5(相対値) サイズ:420×930×530mm 質量:120kg |
従来 | Siパワー半導体モジュールを適用 スイッチング周波数:約150Hz |
電力損失:1(相対値) サイズ:420×1070×580mm 質量:140kg |
今後の展開
今後、3.3 kVよりさらに耐圧の高い6.5kV SiCパワー半導体モジュールの適用による開発を推進し、さらなる長距離大容量送電の高効率化と、変換器設置コストの削減を実現し、2020年代後半の実用化を目指します。