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人工衛星SATELLITE
衛星プラットフォームDS2000
三菱電機は、増大し多様化する高速・大容量通信への需要にこたえるため、商用通信・放送衛星市場をターゲットとした標準衛星プラットフォーム「DS2000」を開発いたしました。DS2000は、宇宙開発事業団(現 JAXA)のDRTSおよびETS-Ⅷを原型として開発され、2006年打ち上げに成功した実用衛星ひまわり7号(MTSAT-2)に、国際入札のもと採用されています。数十年にわたり携わってきた数多くの衛星プロジェクトの成功実績で培われた豊富な通信衛星技術と、最新の設計手法、製造・試験設備を投入したDS2000は、高い信頼性を提供します。
また、三菱電機が開発した独創的なプログラム管理システムでは、開発・製造・試験の各段階で設計データや製造過程がお客様に公開され、お客様の要求に応えることができるようになっています。この高いオープン性によって各プラットフォームはお客様の要求にマッチするよう調整され、納期日程内に完成することが保証されます。つまり、DS2000は世界中の通信衛星オペレータのニーズに対応できるプラットフォームなのです。
DS2000の特徴
システム
- 打ち上げ重量
- 5,800kg
- トランスポンダ
- 60(ノミナル)
- 衛星寿命
- 15年
- 打ち上げ機
- H-IIA, Ariane-5, Proton M, Sea Launch, Land Launch, Atlas-V, Falcon 9等
サブシステム
- 電源
- 高効率シリコンまたは、マルチジャンクションGaAs太陽電池
NiH2またはリチウムイオンバッテリーを用いた100V安定化電源バス - 搭載ソフトウエア
- 姿勢制御機能、データハンドリング機能、衛星管理機能
- 姿勢制御
- 衛星制御器(SC)によるバイアスモーメンタムまたはゼロモーメンタム制御、4台のリアクションホイールを使用
- テレメトリ・コマンド
- SCによるCCSDSプロトコル、1553Bバス インターフェース
- 構造
- CFRP製、セントラルシリンダー方式
- 熱制御
- 構体パネルに内蔵されたヒートパイプによる熱制御
- 推進
- 2液式アポジエンジン、2液式スラスタによる軌道・姿勢制御
イオンエンジンによる南北軌道制御(オプション)
DS2000を使用した衛星
マネージメントシステム
人工衛星のトップメーカーである三菱電機では、衛星システム開発プロセスの全工程を通じて最新のITシステムを導入した革新的プロジェクトを進めております。
KDI-21(Kamakura Digital Innovation-21)と呼ばれるこのプロジェクトは、機械設計・電子設計・ソフトウェア開発・データベース統一という4つの主要分野からなります。このシステムは3次元CADモデルデータを組み込んでおり、そのためにモデリングやインターフェースの確認、設計の見なおし、管理、調整などが簡単に目で見えるようになっています。このモデルデータにより、開発段階で設計ミスなどを視覚的に示すことが可能です。
モデリング・シミュレーション施設では、見なおし段階でひとつのモデルをインターネットを介して共有することができます。
システムの中核となるのがKDIデータベース。KDIデータベースはあらゆるデータを統合し、扱いやすい形式にして使用することができるようにします。情報へはポータルサイトを通じてアクセスが可能で、認証されたユーザは必要な情報を引き出すことができます。