春になり、送迎会や歓迎会などでちょっとしたスピーチを任される方も多いのではないのでしょうか?たったの1分でも何を話そうか頭を悩ます。「日毎にのどかになり、春の装いを感じる季節となりました。皆さん、いかがお過ごしでしょうか...」と言っていたら、あっという間に時間がたってしまう。。
ここで雑学。1分間は1日の1,440分の一、1年の525,600分の一。人生100年時代と言われる今日において、1分間は人生の52,560,000分の一。この数字を見ると、1分という時間はとても短く、何もできないように感じるかもしれないが、過ごし方によって価値を与えることもできる。
世の中では、1分間と真剣に向き合って世界チャンピオンを手にしている人もいる。様々な世界一を記録するギネスワールドレコーズ。1955年に世界記録の書籍を出版して以来、世界中で知られるようになった。58,000件以上の記録がデータベースに保管されている。その中でも「1分間」という制約を課した記録は多く存在する。
米フロリダに住む当時9歳の男の子は、1分間で世界一多く拍手をした。その数、1,080回。電子レンジのタイマー機能を時間計測に使いながら手に水ぶくれができてしまうほど練習を重ねた結果、当時の世界記録を60回も上回る記録を作り、ギネス記録認定書を手にした。
2022年にはインド北東部の男性が1分間に109回の「指立て伏せ」をし、自身が持つギネス記録を4回更新した。指立て伏せは、球技などのアスリートが握力を鍛えるために取り入れるトレーニング方法で、腕立て伏せよりも体への負荷が大きい。一流のアスリートでも1分間に50回程度が限界の目安。その男性は、片手の拳で腕立て伏せをする部門でも、1分間に67回というギネス記録を保持している。
平等に与えられた1分間は、過ごし方によって価値が変わる。1分間を無為に過ごすのではなく、ギネス記録に挑戦してみるのも良いかもしれない。
AIも負けてはいない。ファイマテクノロジー(名古屋市中村区、土屋太助社長)は、英語論文の自動翻訳人工知能サービス「ワンペーパー」を展開。技術開発や研究の論文に特化した翻訳システムで、AIの機械学習により専門用語などの難解な表現も自然な日本語に訳すことができる。そして同システムは、20ページの論文をたったの1分間で翻訳することができる。文字数にすると、約20,000字。人間は1分間に500文字読むと言われており、比較するとAIの凄さが際立つ。
人間もAIも、1分間という短い時間を限りなく有効活用することができる。「ただスマートフォンの画面をボーっと眺めるだけか、あるいは目標に向かって努力をするのか。」過ごし方によって1分間の価値は大きく変わる。1分間も積もれば1日、さらには1年となる。新年度からは、時間の過ごし方を見直してみよう。