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「読み取り」テクノロジーが人手不足解消の切り札に

社会の課題を素早く読み解くヒント集 3min column 「読み取り」テクノロジーが人手不足解消の切り札に社会の課題を素早く読み解くヒント集 3min column 「読み取り」テクノロジーが人手不足解消の切り札に

今、多くの業界が人手不足で悩んでいる。2024年上半期は人手不足による倒産も過去最高を更新し、企業経営への影響も深刻化している。少子高齢化が進むことから、慢性的な人手不足にどう向き合うかが課題となる中、その解のひとつとして、業務の効率化・省力化に貢献する「自動読み取り技術」があげられる。

今やSNSやメールの勢いに飲まれ、一昔前のコミュニケーションツールの印象も拭い去れない郵便物だが、実は、私たちの生活に欠かせない技術がいち早く投入されて話題を呼んだこともあった。「OCR(光学文字認識)※1」と呼ばれる読み取り技術だ。

昭和40年代まで郵便物の仕分けは手作業だった。個人差が大きいうえに、熟練の職員でも区分けのスピードは1分間で60通程度だったが、「OCR」を使って郵便番号を読み取ることで、区分けスピードは大幅に向上。その速度は、今やなんと1分間で830通だ。

「OCR」の読み取り能力は当初、数字や英字に限られていたが、その後、漢字仮名交じり文にまで拡大。今日ではオフィスの手書き文字での紙文書のデジタル化(ペーパレス化)に欠かせない技術になった。最近ではAI技術を搭載した読み取り精度の高い「OCR」も登場し、その活用領域はさらに広がっている。

「ユニクロ」や「GU」を運営するファーストリテイリング社の店舗レジで、商品を置くだけで瞬時に合計金額が出てくる“驚きの体験”をしたことがある人も多いかもしれない。この自動レジの仕組みに使われているのが「RFID(無線ICタグ)※2」だ。

「RFID」は電波を使ってタグを自動認識する技術であり、タグには製造情報が書き込める。個別認識も可能で、近づかずに数メートル先からでも複数を同時に読み取れるため、何が、何処に、どのくらいかあるかをリアルタイムで把握でき、この情報は、販売動向の予測や在庫の補充、はたまた製造量の調整にも活用できる。例えば、店頭にあまり陳列していない商品でも売れ行きが良く在庫があれば、数時間内に売り場の陳列を変えて需要を取り込むことも可能であり、人手不足で店舗数の拡大に課題がある中、この技術は一店当たりの売り上げを伸ばす「個店経営」に舵を切った同社の強力なエンジンになっている。

このような中、近年製造現場において注目を集めるのが、「イメージセンサー」だ。例えば、印刷物やフィルムなどの表面検査等で、僅かなキズや汚れなどを検出し、外観検査の品質向上と生産性の効率化により人手不足解消に貢献する。“ベテラン検査員の目”にも例えられる「イメージセンサー」が、さらなる人手不足解消の切り札となるだろう。

※1 OCR (Optical Character Recognition) ※2 RFID(Radio Frequency Identification)

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