このページの本文へ

ここから本文

【DX最前線、建築業界編】CADを超える技術革新のカギとは

デジタル建築に新たな革命

【DX最前線、建築業界編】
CADを超える技術革新のカギとは
Powered by NEWS PICKSPowered by NEWS PICKS

IoTやAIといった新技術の登場で、ものづくりが大きな発展期にさしかかっている。ものづくりは過去どのような路をたどって進化し、今後はどう進化するのか。今後のものづくりを左右する新たなテクノロジーとものづくりの巨人の取り組みを紹介する。

Digital Transformation 建築DX!の切り札 Key Point ニューテクノロジーの台頭、新型コロナウィルスの蔓延…、人材不足、成熟したマーケットこれらが、今、業種・業界を問わず、デジタルトランスフォーメッション=DX一色! 建築業界でもデジタル化は進んでいる。これまでで最も大きなDXは「CAD」。図面を手書きではなく、デジタルで描きそれを3D化させたCADは、建築・設計業界No.1のDXだった! しかし、今、それを超える"DXな"コンセプトがある。 …それは、通称"BIM" Wha's BIM? Building Information Modelingの略称 3次元の建築モデルを、コンピュータで構築するシステム。 …簡単に言えば、データを最大限活用した"次世代の3D設計" "No BIM"の世界では、2次元図面を作成→3次元の作成。つまり、二度手間だった… "BIM"の世界では、最初から3次元図面を作成。3次元の「形状情報」(モデル)と、その形が壁なのか道具なのか、どんな構造なのかという「属性情報」を持たせる手法。 BIMにより様々なことが実現可能に。Example 1 図面作成「形状情報」3次元モデルから2D図面を切り出して意匠・構造・設備図面を作成。設計図書・確認申請図が連携している。Example 2 数量データ「属性情報」「床面積の計算」「建具、仕上表等の材料集計」例えば、鉄筋の曲げ直径、補強材容積、鉄筋の長さ、径など、csvデータに書き出し、別途Excelでの管理も可能。 Example 3 CG・動画・イメージ「形状情報」プレゼン用パース・動画作成による提案書への活用。Example 4 時間軸・工程「形状情報+属性情報」3次元モデルに時間軸情報を追加し建設過程を4次元データに。Example 5 環境シミュレーション「属性情報」解析ソフトと連携し・日影・換気・温熱環境・空調・風環境・都市計画影響…等、様々なシミュレーションが可能。 これによって、手間の大幅な削減。企画、設計段階から施工時、完成後の建物を想像できる。どの工程でも3Dデータで確認できるので判断しやすい。などのメリットをもたらす。 …その設計工数削減効果は、30%減! なぜ、そんなことができるのか? カギは、建物を構成する機器や材料の"属性情報" Key Point 建築物の設計には、膨大な機器や材料の情報が必要。設計には、その機器や材料の属性情報が既にあるかどうかがカギを握る。 機器や材料の属性情報とは、形状情報だけでなく、その機器や材料が持つ各種の付随情報が属性情報。これがあることによって、3次元図面が作成できる。 ただ、一筋縄ではいかない。それは各機器や材料メーカーがこのBIMデータを用意し、"開放"しなければならないから。 建築・設計は膨大な機器や材料によって構成される。…つまり膨大なメーカー製品によって成立する。 各メーカーの足並みが揃い、協力がなければ成り立たない!1社単独では"未知なるDX"は成し遂げられない。業界全体を上げて取り組むべきこと。 日本は欧米に比べて取り組みが遅れている。理由は、BIMツールの開発が遅れている。導入コストが高い。設計から施工、維持にいたる全ての業界の足並みが揃っていない。共通プラットフォームの整備が遅れている。 このままでは、建築DXで世界に遅れをとってしまう。 この分野をリードするのが三菱電機 Key Point 2018年、空調・換気機器のBIMオブジェクトを公開。現在、公開するBIMオブジェクトは約5,000種類にもおよぶ。 さらに、BIMオブジェクトの開放だけでなく、MEL-BIM(空調・換気シリーズ)の第一弾として「空調・換気機器設備設計支援アプリケーション」を無償提供予定。 What's MEL-BIM?(空調・換気シリーズ) 設計者の求めるスペックに対して最適な機器を自動選定するツール。 空調・換気機器設備設計支援アプリケーション画面イメージ。これまで設計者が「自分で調べ」「自分で計算し」「自分で分析」しなければいけなかった作業を支援。 …BIM普及の足かせになっているユーザー指向なデータとツールの提供を率先してリード CAD以来のインパクトを建設・設計業界にー。 三菱電機ロゴ

(編集・構成:木村剛士 デザイン:Seisakujo)