ビルがスマートになると私たちの職場や暮らしがどうかわるのか?「第4回スマートビルディングEXPO」で体験してきた。
INDEX
- スマートビルに向けられる熱視線
- 荷物を運んでくれるサービスロボットと対面
- 対向者を感知し、道を譲る
- 表示サインが人間をさりげなくサポート
- みごと、ロボットによる配送が完了!
スマートビルに向けられる熱視線
2019年12月11〜13日に開催された「第4回スマートビルディングEXPO」(東京ビッグサイト 青海展示棟)には400社近い企業(同時併設展含む)が出展。約2万5000人が来場し、盛り上がりを見せた。その会場を歩き回ると、各ブースには空調システム、ガラスや壁紙、お掃除ロボット、防災研修プログラムなどが展示されている。「スマートビル」といっても、それを実現するためには多彩なアプローチやテクノロジーがあるようだ。
会場の最奥部に、三菱電機のブースを発見。今回は「ロボットのビル内移動を支援するプラットフォーム」を出展しているという。そのデモンストレーション中ということで、人だかりができていた。
荷物を運んでくれるサービスロボットと対面
後刻、あらためて三菱電機ブースを訪問。特別に、ロボットを使用してのデモンストレーションを体験させてもらえることになった。
デモンストレーションに登場するのは、上部の棚に置いた荷物をビル内の目的地まで運んでくれる三菱電機特機システム社製「配送ロボモビ タイプ80(仮称)」。
対向者を感知し、道を譲る
まず、運んでほしい荷物をロボットの上段に置き、配送先をタブレットで入力する。
ロボットがビルのセキュリティーゲートへと動き出した!
実際の活用シーンを想起するために、ゲートの反対側からスタッフの方に歩いてきてもらった。すると、ロボットは1mほど下がって道を譲った。
その後、直進するとセキュリティーゲートが開いて、ロボットは無事ゲートを通過。
続いてロボットがエレベーターの前へと進んでいくと、扉に「このエレベーターにはロボットが乗ります」というサインがパッと表示された。同時に床には「ロボット停止位置」の文字が。これらは周囲の人にロボットの挙動を伝え、人とロボットが共存しやすくするための工夫だという。
エレベーターが到着して扉が開くと、ロボットはガイドラインの中央を通って乗り込んだ。
表示サインが人間をさりげなくサポート
エレベーターが到着する前、目的フロアの床とエレベーターの扉には、ロボットの到着を知らせるサインが表示された。これも同じく人とロボットが共存しやすくするための工夫の一つで、乗り込む人間が出合い頭にロボットとぶつかるなどのトラブルを避けるためだという。
みごと、ロボットによる配送が完了!
エレベーターを降りたロボットが目的の場所に到着。荷物の受け渡しが完了した。ルートの選択、セキュリティーゲートの通過、人間とのすれ違い、エレベーターの呼び出しなど、複数のミッションをクリアできたことになる。思わず拍手したくなった。
先ほどのステージでの説明によると、「スマートビルサービスプラットフォーム」がロボットの移動を支援しているのだという。つまり、「スマートビルサービスプラットフォーム」がセキュリティーゲートやエレベーターの状況を把握したうえでその時点での最適なルートを選択。また、人の接近を検知した際のロボットの回避行動を促すこと、エレベーター前での人への案内表示などを可能にする。
「スマートビルサービスプラットフォーム」は、ロボットを建物内で活用する未来のビルには欠かすことのできない頭脳のようなものだと感じた。
今回、三菱電機のブースで疑似体験したのは、人間と設備が自然に、安全に共存することができるスマートビルのワンシーン。近い将来、三菱電機の「スマートビルサービスプラットフォーム」など、さまざまなソリューションによって人とロボットが協働するオフィスの風景を作っていくのかもしれない。未来のビルはどのように進化していくのか、ますます興味がわいてきた。