自宅で過ごす時間が増え、室内の空気への関心が高まっています。
新しい生活スタイルでも重要なカギを握る換気ですが、「うまくできているか自信がない」「正しいやり方が分からない」という人も多いのでは?
そこで、今回は換気についてのギモン、換気の基本について「室内環境の質」に長年携わっているプロに聞いてみました。
※本取材はテレビ会議システムで実施しました。
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新しい生活スタイルでも注目されている「換気」。みなさまから寄せられたギモンに、家電メーカーのプロがお答えします。
自宅で過ごす時間が増え、室内の空気への関心が高まっています。
新しい生活スタイルでも重要なカギを握る換気ですが、「うまくできているか自信がない」「正しいやり方が分からない」という人も多いのでは?
そこで、今回は換気についてのギモン、換気の基本について「室内環境の質」に長年携わっているプロに聞いてみました。
※本取材はテレビ会議システムで実施しました。
私がお答えします
三菱電機株式会社 住環境研究開発センター
古橋拓也(ふるはしたくや)
1994年入社。生活システム開発研究所(現住環境研究開発センター)
に配属され、1997年からは一貫してIEQ(Indoor Environmental
Quality:室内環境の質)に関わる要素技術開発に従事。2018年から
現在は製品化技術開発部 主席技師長として、換気・空調・空気清浄・
衛生に照明を含めた、IEQ技術の開発取りまとめを担当している。
換気をするメリットとして、室温調整・酸素供給・脱臭・除湿などが挙げられますが、室内の空気を新鮮な外気と入れ替えることで、人と住まいの健康につながります。
換気をしない室内では二酸化炭素(CO2)濃度が上昇してしまい、集中力が落ち、眠くなることがあると言われています。経験されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自然に換気ができた昔ながらの住宅に比べ、現在の住宅は気密性が高いので外気が入りづらく、抜けにくくもなっていますので、意識的に換気をするように心掛けましょう。
換気で重要なことは「空気の流れ」を作ることです。窓を1カ所しか開けない場合は、空気が流れにくいため、どうしても時間がかかってしまいます。窓が複数あるお部屋では、窓は多く開けるほうがベターです。また、空気の出入り口は距離を離すことでより効率よく換気ができ、空気が淀みにくくなります。対角線上に窓を開けられるのが理想的ですが、窓が1つしかないお部屋の場合は、窓とドアを両方開けて室内の空気を外に流すようにしてください。
換気設備が設置されているにもかかわらず、ずっと電源を入れていなかったという方も意外と多いようです。これを機に、一度ご自宅の換気設備の場所や稼働状況を確認してみてください。給気口で外気を取り込み、換気設備で排気する住宅の場合は給気口を家具などで塞いでいないか、換気設備内のフィルターの汚れも要チェックです。できればフィルターは半年に一度をめどにメンテナンスしてください。そして、私が「おうちにある最強の換気設備」だと思っているのが、キッチンにあるレンジフードです。換気量がとても多いので、調理時以外にも上手に活用してみてください。
窓を開けて取り込んだ新鮮な外気ですが、花粉やPM2.5(※)などが含まれていることがあるので、 HEPAフィルター搭載の空気清浄機できれいにしましょう。HEPAフィルターは、JIS規格で最も捕集しにくい0.3μmの粒子を99.97%以上捕集することができる優れモノです。ちなみに、空気清浄機を部屋の短辺になる壁面に置くと、壁に沿った気流が生まれて部屋全体の空気がしっかり攪拌され、より効果的です。
※花粉よりもはるかに小さい直径2.5μm(1μm=1mmの1/1000)以下の汚染物質。
お部屋の広さ、窓の位置や数などによっても異なりますが、1時間に2回くらいがおすすめです。1回あたり数分~10分程度を目安に、室温が外と同程度になったかどうか(=換気ができた)を温度計などで確認すると分かりやすいと思います。また、睡眠時にもぜひ換気を行ってください。締め切った寝室では二酸化炭素(CO2)濃度が上がり、睡眠の質にも影響すると言われています。寝室のドアを少し開けておくだけでも効果はありますよ。
気分がシャキッとする窓開け換気ですが、寒い日はできるだけ短く済ませたいですよね。そこで窓を開けて換気しても室温が18℃(※)を下回らないよう、換気中もエアコンはオンにしておきましょう。また、窓開け換気前に室温を上げて室内を暖めてから窓開けすると、部屋の壁や床、カーテンなどが温まっているので、寒さが緩和されます。ちなみに、窓の方向にエアコンの気流を向けると換気量がとても大きくなります。
※世界保健機関WHOのガイドラインで推奨されている室内温度。
最近では、さらに上手な換気ができるようなアシスト機能を搭載したエアコンが登場しています。三菱ルームエアコン「霧ヶ峰」の一部機種には、ムダの少ない窓開け換気のタイミングをリモコンに表示してくれる「換気ガイド」や、気流の向きなどをスマホの画面で感覚的に操作できる「タッチ気流」などが搭載されており、より簡単で効率的な換気をすることができます。
実は扇風機も換気には役立ちます。夏場以外はしまわれているご家庭が多いとは思いますが、扇風機を斜め上(45°くらい)に向けて部屋の空気を攪拌させて換気をすると、空気のよどみがうまく解消されて、短時間でも効率よく換気ができます。ぜひ試してみてください。
一般的な環境基準では、湿度は30~60%が適切だと言われています。肌の乾燥や目の渇き、喉のイガイガ感などが気になる場合は、「湿度50%以上」をひとつの目安にしてみてください。夏はエアコン、冬は暖房を使うことで湿度が下がってしまうので、加湿器なども取り入れてみましょう。一般的なスチーム式加湿器の場合、湿度は室内の上部に溜まるため、同じ室内でも上は90%、下は60%ということも。空気を攪拌する扇風機やサーキュレーターを使うことは、湿度の観点からも有効です。
編集後記
「家電メーカーのプロがお答えします」リモート取材、いかがでしたでしょうか? CLUB MITSUBISHI ELECTRIC編集部でも以前のような取材ができない状況が続いておりますが、なるべくたくさんの暮らしのギモンについて、みなさんに便利で役立つ情報をお届けしていきたいと思っておりますので、乞うご期待ください。
2020.12.18
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