「職る人たち」雪洞絵付け体験イベントレポート

「職る人たち」雪洞絵付け体験イベントレポート

CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)の10周年を記念して、
2024年12月19日に会員様をお招きしたワークショップイベント「雪洞(ぼんぼり)絵付け体験」が開催されました。
会場は日本のものづくり・地場産業のブランドづくりをサポートする株式会社リアルジャパンプロジェクト(東京・渋谷)のショールーム。
「職る人たち」第七回でご登場いただいた安藤商店から講師をお招きし、世界にオンリーワンの雪洞が作られていく当日の模様をレポートします。

イベント概要

  • イベント名:雪洞絵付け体験
  • 開催日:2024年12月19日(木)14:00~15:00 会場:リアルジャパンプロジェクト(東京・渋谷)

自分だけのオリジナル雪洞を作ろう!

透き通るような青空と日差しがまばゆい12月下旬——。CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)の10周年を記念して、会員様をお招きするワークショップイベントを開催しました。

講師としてCME連載企画「職(つかさど)る人たち」でご登場いただいた安藤商店から、岩崎亜紀さん、サポート役として常務取締役の澤田祐也さんのお二人にお越しいただきました。

安藤商店は、岐阜県岐阜市で1921年に創業した提灯・雪洞製造の老舗。上質な美濃和紙と竹を用いて、江戸時代からつづく伝統技法によってつくられる岐阜提灯をはじめ、古くからの技法を守りながら、提灯、雪洞、水うちわなど幅広い製品を手掛けています。

講師も目を見張る新鮮な図柄が
次々と誕生

参加者の前には事前にお聞きした好みの色の雪洞が置かれ、まずは岩崎さんから塗り方についての説明がありました。

「時々、雪洞を光らせてどう見えるか確認しながら絵を描くと楽しいと思います。それと、アクリル絵の具を濃く塗りすぎると光が通りにくくなるので、絵柄に合わせて濃さを調整してみてください」(岩崎さん)

雪洞に絵付けする箇所は8面あり、それぞれに異なる絵を描くか、1周ぐるりと続いた絵を描くかで雰囲気が大きく変わるそうです。

どのような絵柄にするか、参加者の皆さんは展開図に鉛筆で下書きを描き、安藤商店の雪洞画像を参考にするなど真剣な表情に。

「雪洞にも正面があり、ホヤという光る部分の中にある柱が正面から見て両側に来るようにすると良いですよ」(岩崎さん)

ここからいよいよ絵付け作業がはじまります。岩崎さんと澤田さんが参加者の間を回りながら丁寧にアドバイスをしていきます。

最初は濃淡のつけ方がわからず、恐る恐る色を塗っていた参加者も、徐々に筆が動き出して雪洞に色鮮やかな図柄が現れはじめました。源氏物語をモチーフにしたもの、鹿や椿を大胆にデザインしたものなど個性あふれる雪洞の完成まで、あともう少しです。

「提灯や雪洞のような、球体に絵を付ける作業はなかなか難しいのですが、皆さんかなり才能があると思いますよ。我々から見てもすごく新鮮な図柄で、商品化の良いアイデアになりそうです(笑)」(澤田さん)

手で作るという原点に戻る
楽しさを味わってほしい

岩崎さんと澤田さんの温かな人柄を感じさせる、和やかな雰囲気の中で進行してきたワークショップもいよいよ終盤に。
ひと足先に完成した参加者は、自分の雪洞を灯して満足そうに眺めています。

撮影用に全員の雪洞を並べたのですが、世界にオンリーワンの色鮮やかな雪洞が並ぶ姿は圧巻の一言でした。

最後に講師のお二人は次のように話しました。

「拙い説明でしたが、楽しんでいただけて良かったです。皆さん、すぐに手が動き始めてとても嬉しかったです。このような伝統工芸に興味を持っていただき、ありがとうございました」(岩崎さん)

「今回はご参加いただきありがとうございました。絵を描く楽しさを改めて感じていただけたワークショップだったと思います。手で描く素晴らしさ、手で作るという原点に戻る、その楽しさを味わっていただけたら嬉しいですね」(澤田さん)

雪洞絵付け体験を終えて

体験終了後、参加者の皆さんに感想をお伺いしました。

雪洞にピンクの可愛らしい招き猫と足跡を描いた参加者様は、ご自宅にコレクション部屋があるほどの招き猫好き。「子供が大きくなってからは絵を描く機会がなかったのですが、今回久しぶりに絵を描いてすごく楽しかったです!思わず息を止めるほど集中しました」。

和紙に興味があり、安藤商店のある岐阜の各地を巡ったという参加者様は「あっという間に時間が過ぎてしまい、もう少し描いていたかったです。自分の雪洞をどこに飾ろうか楽しみです」。

雪洞の八面を使って源氏物語を表現された参加者様は「学校で習った以来、本当に久しぶりに絵筆で絵を描いてみて、丸を描くのも容易ではなく改めて職人さんの技の凄さを実感しました。伝統は絶やしてはいけないのだなぁと思いつつ、このような楽しい時間をいただけて心から感謝です」。

今後もCME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC)では、こうしたイベントを開催し、
会員の皆様との交流の機会を増やしていきたいと考えています。
イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!

取材・文/澤村泰之 撮影/魚本勝之
2025.02.13

今回のワークショップに
ご協力いただいたのは…

安藤商店 営業部 営業課 主任
岩崎亜紀さん

安藤商店 常務取締役
澤田祐也さん

  • 安藤商店

    1921年に初代・安藤安吉氏が創業した提灯・雪洞製造の老舗。「伝統工芸品」としての提灯・雪洞づくりだけでなく、インテリア照明としてモダンなデザインの提灯や雪洞を幅広く取り揃える。

    https://ando-chochin.jp/
  • REAL JAPAN
    PROJECT

    その時代ならではのクリエイティブの力を活かし、 日本のものづくりを伝える伝統工芸・ 地場産業に特化した PRエージェンシー。日本各地より厳選された、美しいと思える物たちを贈り続けるライフスタイルショップも展開。

    https://realjapanproject.com/