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三菱電機のご近所さんぽ

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August

今月のメインビジュアル

#02
二重橋

Information

二重橋

〒100-0002
東京都千代田区皇居外苑

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江戸城の名残りを
とどめる二つの橋

三菱一号館美術館

丸の内は、お濠を挟んで皇居前広場と隣接しています。江戸時代には幕府重臣のお屋敷が建ち並び、「西の丸下」と呼ばれたエリアです。東京三大銅像の一つである楠木正成騎馬像や黒松の並ぶ芝生広場、一面の玉砂利広場などさまざまな見どころがある皇居前広場ですが、なかでも一番人気を誇るのは「二重橋」。左手に皇居正門、奥に伏見櫓を望む石造りの橋の優美な景観はあまりにも有名です。この石橋を二重橋だと思われている方も多いでしょう。でも、実は違うのです。

中央階段

石橋の奥にはもう一本、黒い鉄橋が架かっています。本来、二重橋と呼ばれたのはこの橋のことで、正式名称を「皇居正門鉄橋」、手前の橋は「皇居正門石橋」といいます。正門鉄橋の前身である、木製の「西の丸下乗橋」が造られたのは1614年。当時は濠が深く、橋桁を二重に重ねて架けたことから二重橋の呼び名がついたといわれています。その後2度の掛け替えを経て、現在の姿となりました。

一方、正門石橋が架けられたのは、1624年。「西の丸大手橋」と名付けられた木造の橋は、1887年に現在の石造アーチ橋に改修されました。2つのアーチが水面に映るその姿から、「眼鏡橋」ともいわれています。正門鉄橋(二重橋)も正門石橋(眼鏡橋)も通常は通ることができませんが、新年や天皇誕生日などの皇居一般参賀時には開放されるほか、皇居参観を申請すれば、二重橋を渡って伏見櫓や宮殿を眺めることもできます。

二重橋ではないものの、正門石橋はいつでも橋のすぐ手前まで歩いて行けるため、庶民にとってはもっとも身近な“お城の橋”。花崗岩で造られた重厚な橋のたもとに立つと、正面に皇居正門(旧:西の丸大手門)を拝むこともできます。正門へと続く橋の欄干や6基の青銅鋳造飾電燈にみられる西洋建築の意匠もみごとです。

また、正門石橋の架かるお濠沿いに設置されたブロンズ製の高欄は、ギリシャ建築のコリント様式で使われるアカンサスの葉をモチーフにしています。この高欄は1888年に明治宮殿へのアプローチとして造られ、平成に原形復元されましたが、その際に交換した古い台座石は、皇居前広場内に点在するベンチとして再利用されています。見かけたらぜひ腰掛けて、皇居の緑やお濠越しに丸の内を眺めてみてください。いつも見慣れた街とは違う風景が広がります。