2018年、日本で楽しめる天体ショー!~天空散歩を楽しもう!~2018年、日本で楽しめる天体ショー!~天空散歩を楽しもう!~

1月2日のスーパームーンからスタートした2018年の天界は、
皆既月食が2回、15年ぶりに大接近する火星、好条件の流星群など、見逃せないイベントが盛りだくさんです。
また小惑星探査機「はやぶさ2」が、地球と火星の間にある小惑星リュウグウに到達するのもこの夏です。
ワクワクの夜空を見上げてみましょう。

2つの皆既月食を見よう 2つの皆既月食を見よう

2018年は1月と7月に皆既月食が起こります。そのうち1月31日の皆既月食は条件がよく、日本全国で見られます。
月が欠け始める時間は20時48分で、21時51分に皆既月食になり、赤銅色に染まった赤黒い月が見られます。最大食は22時30分で、皆既は23時8分に終わります。
その後月は少しずつ復元し、日付が変わって2月1日0時12分に地球の影から抜けて月食が終わります。

7月28日の皆既月食は夜明け前に起きるため、各地で見え方が異なります。皆既月食が見えるところと部分月食しか見えないところもあります。今回の皆既月食は北日本より西日本のほうが条件はよくなりますが、それでも多くの地域で皆既のまま月が沈んでしまいます。
月が欠け始めるのは7月28日3時24分で、4時30分に皆既月食になります。東京の場合、日の出は4時46分、月の入りは4時48分なので、日の出直前での皆既月食となり、そのまま沈んで行きます。興味深いのは、月の近くに大接近中の火星が並ぶことです。これは、まさにシャッターチャンスですね。

皆既月食で赤銅色に染まった赤黒い月

火星が15年ぶりに大接近 火星が15年ぶりに大接近

火星は地球の外側を回る惑星で、直径は地球の半分ほど。およそ2年2か月ごとに地球に接近を繰り返しますが、今年は15年ぶりの大接近で7月31日に地球に5759万キロメートルまで近づきます。光度はマイナス2.8等で赤く明るく輝き、このときの視直径(見かけの大きさ)は24秒角なので、月の視直径のおよそ77分の1の大きさになります。

2018年3月からの火星はへびつかい座、いて座、やぎ座と順行※1し、6月28日にやぎ座で留※2になります。その後火星は8月28日に留になるまで逆行し、再び順行に転じます。

※1
じゅんこう=惑星が西から東へ移動すること
※2
りゅう=順行から逆行に転じるとき、または逆行から
順行へ転じるとき、惑星の動きが止まって見えるとき

7月31日の最接近の日、火星はやぎ座に位置し、東京では19時ごろ南東に昇り、真夜中に南の空に輝きます。火星の北極、南極には「極冠」と呼ばれる白っぽい模様がありますが、今回は南極冠が地球に向いていて火星は夏の時期に当たるので、望遠鏡で火星の表面を観望すると小さく見えます。また火星表面にはところどころ黒っぽい模様が見えます。火星の模様は火星の自転に伴っておよそ24時間40分で一周します。6月下旬から9月上旬までは、光度がマイナス2等級を超えるため火星の観望に向いています。

写真はやぎ座で、数字はやぎ座を移動する最接近前後の火星の位置。
①5月1日、②6月1日、③7月1日、④7月31日(最接近)、⑤9月1日、⑥10月1日、⑦11月1日。

ペルセウス座流星群とふたご座流星群 ペルセウス座流星群とふたご座流星群

流れ星が消えないうちに願いを三回唱えると願いが叶うといわれています。流れ星がたくさん飛ぶ日に、早口言葉で願いを唱えてみてはいかがでしょうか?

今年楽しみな流星群は8月13~14日のペルセウス座流星群、12月13~14日のふたご座流星群です。

8月13~14日のペルセウス座流星群は月明りの影響がないため条件は最高です。出現の極大時刻は午前10時なので、13日の夜明け前に1時間あたり40個から50個の流星が飛ぶと予想されています。また14日も引き続き出現が期待されます。夜明け前に輻射点(ふくしゃてん=放射点ともいい、流星が飛ぶ中心のこと)が高くなるので、20時ごろより夜明け前のほうが多くの流星が見られそうです。

12月13~14日のふたご座流星群は、上弦前の月がありますが、夜半前に沈んでしまうので好条件で観望できます。出現の極大の時刻は21時ごろと予想され、明るい流星が多いので1時間あたり80個の出現が期待されます。2009年12月14日夕方にマイナス8等という極めて明るい火球が相次いで出現したので、今回も期待したいところです。
また13日も1時間あたり40~50個の流星が見られそうです。風邪をひかないよう、温かい服装で夜空を見上げてみてください。

カシオペア座をかすめる流星

今年の夏は宵の明星の観望の好機 今年の夏は宵の明星の観望の好機

金星は地球のすぐ内側を回る惑星で、夕方西の空に見えるときを「宵の明星」、明け方東の空に見えるときを「明けの明星」といいます。
太陽と月を除けば金星は最も明るい天体で、位置さえわかっていれば、昼間でも見つけることができます。光度は1等星の100倍のおよそマイナス4等級ですが、明るいときには極大光度がマイナス4.7等にもなります。

地球のすぐ内側を回る金星は、1年7か月ごとに地球に接近します。地球から見て金星が太陽と同じ方向に来るときを「内合(ないごう)」、太陽の向こう側のときを「外合(がいごう)」といい、このときはどちらも見ることはできません。
内合を過ぎると金星は太陽の周りを反時計回りに移動し、太陽の西側にくると明け方の東の空に見えるようになります。その後金星は太陽から離れて行き、太陽から最も離れた時を西方最大離隔といいます。西方最大離隔を過ぎると、しばらくは明け方の空に見えていますが、やがて外合、そして東方最大離隔を迎え、夕方の西の空に見えるようになります。

2018年の金星は、6月から9月が宵の明星の観望の好機で、8月18日に東方最大離隔、9月21日には最大光度になります。今年の夏は夕暮れの空で一番星の金星を見つけてはいかがでしょう。最大光輝のころ小望遠鏡を向けると、三日月のような金星が見えます。

宵の明星

2018.01.10

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