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本取材の際には、入念な感染対策を行いました。
外出の際は、くれぐれも感染予防を心がけましょう。
チェアヨガとは、ヨガマットを使わず、主にイスに座って行うヨガのこと。
激しい運動ができない方でも無理なく身体を動かせるところが魅力です。
今回は、チェアヨガの基本やポーズを、インストラクターの原良子さんに教えていただきました。
チェアヨガには「自律神経や血圧の安定」「姿勢の改善」「リラックス」の3つの効果があります。この効果を高めるために大切なのが、深い呼吸です。身体の動きを意識し過ぎて身体がかえってこわばってしまうくらいなら、無理にポーズを真似るより、ゆっくりと鼻呼吸することを心がけましょう。
チェアヨガで使用するイスには、背もたれがあり、肘掛けやキャスターのないものを選びます。座った時にお尻が沈み込まないよう、座面が平らで、ある程度の硬さのあるものがおすすめです。膝が約90度に曲がった状態で両足裏が床につくように腰掛けましょう。脚の長さが足りない場合は、分厚い本を土台に。身体を動かしやすく、呼吸のしやすい締め付けのない服装で行います。
●効果
正しい姿勢を取ることで、骨盤のゆがみが整うだけでなく、首や肩のこりが和らぎます。胸が開かれるため、深い呼吸にもつながるポーズです。
●やり方
膝が90度に曲がる程度の深さで腰掛けます。
背もたれには寄りかかりません。
両脚を腰幅に収まる程度に開き、足の裏は地面にしっかりとつけましょう。このとき、足の指先は前を向いている状態です。太ももが平行にならない方は、膝と同じ方向を向いていれば構いません。
骨盤を垂直に立て、背骨を伸ばしていきます。手の甲を太ももの上に軽く置いて、首をすっと伸ばしましょう。
肩の力を抜き、目線は前に。空気の通り道を意識しながら鼻で呼吸し、胸を膨らませるように吸い込んだ後、お腹をへこませるように息をはききります。
他のポーズでも、ベースとなるのはこの「基本のポーズ」の座り方です。
●効果
肩や首のこりをほぐし、血流を促すポーズです。肩甲骨周りには脂肪を燃焼させる働きを持つ細胞(褐色細胞)があるので、代謝の良い身体に。二の腕の筋肉もストレッチされ、すっきりと引き締まる効果があります。
●やり方
息を吸いながら右手を上げましょう。この状態で、上げた手の肘を逆側の手で抑えてストレッチしておくと、柔軟性が高まるのでおすすめです。右手を上から、左手を下から背中に回し、背中で手を組みます。このとき、がんばりすぎて呼吸を止めないように注意しましょう。
手が組めない方は、タオルやベルトなどの補助具を使うのがおすすめです。両手ができるだけ垂直になるように心がけましょう。
無理に手をつなごうとすると、顔が前に出てしまいます。後頭部で腕を押し返すようにして、背筋を伸ばすといいでしょう。顎が上がり、二の腕が自然に伸びていればOKです。左右の手を入れ替えて、同じように行います。
●効果
お尻の筋肉をストレッチすることにより、腰痛の緩和に役立ちます。倒れないようにバランスをとることで集中力のアップにも。股関節を大きく開くため、ヒップアップにも効果的です。
●やり方
左足を無理なく伸ばせるところまで踏み出して両脚を開き、右足のつま先を正面に向けます。両腕を脚と並行に大きく開き、右手の中指と左手の中指とが遠くに離れるようイメージしながら伸ばしましょう。足をしっかり床につけ、右足の小指でしっかり大地を捉えます。左脚に体重が偏らないよう、左右の坐骨に均等に体重をかけるのがポイントです。これにより、股関節がきちんと伸びます。目線は左手の中指の延長線上に。左右の向きを替えて同じ動作を行います。
左膝が内側に傾くと、膝を痛めやすくなります。膝がかかとの真上にくるように意識しましょう。膝がつま先と同じ方向に向くのがベストです。
●効果
胴回りの筋力が鍛えられることで腰痛の予防になります。腹筋や背筋を使うため、おなか周りもすっきり。内臓が活性化し、便秘解消にも効果的です。
●やり方
基本のポーズの状態で、イスの座面を両手でしっかりとつかみ、背筋をまっすぐ伸ばしたまま背もたれに倒れます。足の親指同士をくっつけて、かかと同士はゴルフボール1つ分ほど離したまま、息をはきながら両脚をあげていきましょう。膝は曲げたままで構いません。ポイントは、脚ではなく腹筋に力を入れること。脚を下ろすときに息を吸います。
脚は無理をせずに上がる高さまで上げましょう。難しい場合は、地面から4、5センチ上げるだけ、またはかかとを上げるだけでも十分効果はあります。
できる方は、すねが水平になるまで脚を上げ、両手を前に伸ばしてみましょう。
脚を上げることに意識を向け過ぎて、背中が丸まらないように注意します。
腹筋が弱い方は、片脚ずつ上げるだけでも大丈夫です。
●効果
下半身に滞りがちな血流を循環させることで、下半身のむくみや冷えが改善。腰からお尻にかけての筋肉や関節をほぐす効果もあります。
●やり方
左脚の膝を曲げて、右脚に乗せ、背筋を伸ばします。できれば左の足首から膝にかけては水平に。両手は左脚のくるぶしから膝までの間に軽く添えましょう。左右の坐骨に均等に体重を乗せ、背筋をまっすぐ伸ばして息をはきながら、胸を上向きに見せるように深くねじります。
頭から胴体にかけては一直線になるように、目線は胸と同じ方向を向きましょう。顔が前に出てしまうと、背中が丸まってしまいます。コツは、頭からではなく脚の付け根から曲げること。お腹を太ももに近づけるイメージで倒します。お尻周りの筋肉が伸びていることを意識しましょう。左右の脚を入れ替えて同じ動作を行います。
●効果
脇腹の筋肉をほぐすことで内臓機能が活性化し、便秘解消や消化・代謝機能の低下を予防することに役立ちます。胃や腸なども刺激されるため、食欲低下の改善にも効果的です。
●やり方
右脚を左脚に巻きつけるように脚を組みます。背筋を伸ばして、胸の前で合掌します。目線は胸と同じ方向に、合掌は胸の中央の位置に固定したまま、左の脇腹を正面に向けるようにしてツイスト。顔は胴体と同じ方向に向けたまま、みぞおちからねじりましょう。胸が右側に向いているのが正しい状態です。ねじったまま、左の肘を右脚に引っ掛けるようにして、息をはきながら脚の方に倒しましょう。左右を入れ替えて同じように行います。
身体がかたい方は、脚を軽く組むだけでOKです。
両手をだらんと垂らした状態で、左手を右の太ももの外側に引っ掛けるようにしてツイストしましょう。このときも、みぞおちからねじることを忘れずに。
※文章中で紹介している身体への効果には個人差があり、掲載内容が効能・効果を保証するものではございません。
無理はせず、ご自身のペースで実践してください。
2022.03.01
原良子(はら・りょうこ)さん
ヨガインストラクター
全米ヨガアライアンスRYT200修得。「大切な祖母に笑顔で長生きしてほしい」という思いがきっかけとなり、身体の機能の衰えや食欲の低下を和らげるチェアヨガの指導を始めた原さん。自治会や介護施設でのボランティアのほか、通所できない方へのオンライン指導なども実践。レッスン受講者からの、「脚の浮腫みがとれた」「お腹の調子が良くなった」「手足が冷えなくなった」といった喜びの声が活動の原動力です。