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- 初心者キャンパーにやさしい「手ぶらキャンプ」
本取材の際には、入念な感染対策を行いました。
外出の際は、くれぐれも感染予防を心がけましょう。
澄みわたった空気、やわらかな木漏れ日、鳥のさえずりや風の音──。
キャンプの魅力はなんといっても、自然の刺激を五感で感じられること。野外でいただく食事のおいしさも格別です。
一方で、大きな負担になるのが荷物の準備や持ち運び。
それを解決してくれるキャンプとして、近年人気が高まっているのが「手ぶらキャンプ」です。
今回はそのポイントを、FamiCampの越前麻代さん、中山結香さん、高橋容子さんに教えていただきました。
「手ぶらキャンプ」に明確な定義はありません。キャンプ場によって、用意されているアイテムやサービスも異なります。ここで共通するのは、テントの持ち込みが不要であること。調理器具や寝具、テーブルなども借りられるのが一般的です。荷物が軽くなれば、鉄道やバスなど交通手段の選択肢が広がります。
もうひとつの魅力は、キャンプ用品を買い揃える前に試せること。そのため初心者キャンパーにもうってつけです。使用済みの土や泥のついた道具を持って帰らなくて済むほか、道具が雨で濡れても自宅で干す必要もなくなります。
出かける前に、確認しておきたいポイントは次の6点になります。
テントの設営の要否 | 設営が必要な場合は、キャンプ場のホームページで予習しておくとスムーズです。 設営の手間を省きたい場合は、常設テントがあるキャンプ場を選ぶといいでしょう。 |
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食料品の調達手段 | バーベキューセットを注文できたり、キャンプ場近くの食料品店で購入できる場合、自宅から持っていかなくて済みます。 |
調理器具 | 作りたい料理に適した調理器具があるか確認しましょう。 焚き火だけでなく、着火が容易なカセットコンロもレンタルできると便利です。 |
寝具 | 夜間に冷え込む場合もあるので、毛布を借りられるか確認しておくといいでしょう。 |
ランタン | 日が暮れてからテントの外を歩く際に使います。借りられる個数も確認を。 ひとりにひとつあるのが理想です。 |
お風呂事情 | お風呂やシャワーが利用できるかどうかに加えて、ドライヤーやタオルが借りられるかどうかもチェックしましょう。 |
キャンプ場は、標高の高い山あいにあることも多いため、寒さに備えて普段の服装より1、2枚多く着こめる服を持っていくといいでしょう。カットソーや長袖シャツのほか、風を通さないウインドブレーカーもおすすめです。虫さされの対策もしっかりと。特に、初夏はブヨや蚊が増える時期です。虫除けスプレーのほか、刺されたときのかゆみ止めもほしいところです。靴下はくるぶしまでではなく長めのものがおすすめ。サンダルをはきたくなる季節でも、足を保護するためにはできるだけスニーカーをはきましょう。虫さされに限らず、キャンプのような不慣れな環境ではけがをしたり、気圧の変化によって急な頭痛に襲われることもあります。そんなときに備えて、絆創膏や常備薬の入った救急ポーチを持っていくと安心です。
キャンプ場に到着したら、まずはチェックイン。キャンプ用品一式を受け取り、自分のサイト※1へ。テントの設営が必要な場合は、説明書を読みながら組み立てていきます。
梅雨の時期なら、雨対策も欠かせません。テントの周りに2~3cmの溝を掘って水路をつくることで、テントの下に雨水が溜まるのを防げます※2。とはいえ、雷雨や強風に見舞われたときは、必ず車の中や頑丈な建物に避難してください。雨脚が弱ければ、テントの中でゲームや読書をしたり、雨音に耳をすませるだけでも癒やしのひとときになります。
※1「サイト」とは、キャンパーがテントを張るスペースのこと。指定のスペースを割り当てられる「区画サイト」と、キャンパーが任意に場所を確保する「フリーサイト」の2種類があります。
※2芝生を傷つける可能性もあるため、キャンプ場に必ず確認のうえ行ってください。
キャンプ用品を持っていかない代わりに、アウトドアで楽しめるアイテムを持参してみてはいかがですか?
おすすめのアクティビティを紹介します。
釣り | 釣った魚はバーベキューの食材になります。基本のアイテムは釣りざおと餌、バケツ、ライフジャケットです。クーラーボックスがあれば魚の保管・運搬に役立ちます。 |
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コーヒー | インスタントコーヒーでも、自然の中で飲む味は格別です。コンパクトなミルを持っていき、豆を挽く過程から楽しむのもおすすめです。 |
読書 | 自然の音をBGMに、読書をしてみては。ハンモックを持参するといっそう満喫できます。 |
燻製 | 市販の燻製キットがあれば簡単です。適した食材は卵やチーズ、ポテトチップスなど。ナッツ類やソーセージ、ベーコン、ちくわなども燻製と相性がいい食材です。 |
野外映画鑑賞 | ポータブルのプロジェクターと白いシーツで、テントはたちまち映画館に。車でキャンプに行くなら、車体に投影することもできます。 |
野点(のだて) | 野点とは、自然の中でお茶を点てること。敷居が高く感じるかもしれませんが、実はお茶碗と茶せんさえあれば簡単にできます。細かな作法は気にせず楽しみましょう。 |
天体観測 | キャンプ場には街灯がほとんどないため、晴れた夜は満天の星空に。望遠鏡を手に、天体観測をしてみてもいいでしょう。 |
最終日は、チェックアウトの時刻から逆算して行動を。薪の処理やテントの解体に時間がかかることがあるため、片付けの所要時間は3時間ほどを見込んでおくと安心です。借りた道具を返却し、使ったスペースを原状復帰したら、チェックアウトを行います。
道具の準備や持ち運びの負担が減るだけで、キャンプをもっと自由に楽しめます。初夏は空気が爽やかに感じられ、アウトドアに適した季節。これからキャンプを始めたいという方は、手ぶらキャンプから試してみてはいかがでしょうか?
キャンプ場でのマナー
1. 他のキャンパーへの配慮を
他のキャンパーのサイトに立ち入らないように注意しましょう。夜間の灯りや音にも配慮します。消灯時刻を過ぎたら、テントの外に光が漏れないように注意し、話すときは小声で。これらは、キャンパー同士のトラブル防止にも役立ちます。
2. 自然環境を大切に
焚き火を使用するときは、土壌にダメージを与えないように気をつけましょう。焚き火台の下にレンガや焚き火シートを敷くと、地面を保護できます。炭は地面に放置せず、必ず灰捨て場で処分を。安全のためにきちんと消火することも忘れずに。未使用の薪はキャンプ場のルールに従って処理します。
2022.06.01
越前麻代(えちぜん・まよ)さん(中央)
中山結香(なかやま・ゆか)さん(左)
高橋容子(たかはし・ひろこ)さん(右)
FamiCamp/キャンプインストラクター
「キャンプは非日常の体験を通じてリフレッシュできるだけでなく、仲間と協力しながらテントの設営や調理を行うことで親睦が深まるところも魅力」と語るFamiCampの皆さん。「キャンプで家族力をはぐくむ」をテーマに、初心者キャンパー向けの講演やワークショップを行っています。