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- シニアこそ始めたい! スイミングの魅力
本取材の際には、入念な感染対策を行いました。
外出の際は、くれぐれも感染予防を心がけましょう。
スイミングは、無理なく全身を動かせるスポーツのひとつです。
歳を重ねて体力に自信がなくなった方でも続けやすいことから、
近年ではシニア向けのクラスを設けるスイミングスクールが増えています。
今回はスイミングの魅力について、水泳講師の大前綾香さんに語っていただきました。
スイミングのメリットは、足腰に負担をかけずに効率良く運動ができることです。歳を重ねて足腰が弱くなると、走るのはもちろん、ウォーキングでも身体を痛めてしまうことがあります。スイミングなら、水の浮力があることから、陸上で同程度のトレーニングをする場合よりも身体への負担がかかりません。実際に、転倒して骨折した方が、リハビリのためにスイミングに通うという話はよく聞かれます。
首からつま先まですべてを動かすのもスイミングの特徴。泳ぐことが「全身運動」と言われるのもこのためです。全方向からバランス良く身体に水圧がかかり、陸上での動作に比べると筋肉への負荷は2倍に。水中では体温調節機能が働くことや、有酸素運動と無酸素運動の要素を兼ね備えていることなどから、効率良くエネルギーを消費できる利点もあります。筋肉量が増加することによって基礎代謝もアップ。脂肪を燃焼しやすい身体になります。
ブランクがある方や初心者の方は、まずビート板を用いたバタ足(板キック)ができるようになることを目標にするといいでしょう。バタ足は、脚の甲をバレリーナのように伸ばし、太ももに力を入れて脚全体で水を打つように動かす動作です。このとき、顔は水面上に上げたままでも、水につけても構いません。運動効果が見込めるのは、大殿筋(おしり)、大腿部筋(太もも)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)などの筋肉。太ももの大きな筋肉を鍛えることによって、基礎代謝が高まりやすくなります。
クロールは、下半身だけでなく上半身も大きく動かす泳ぎ方。バタ足に比べてエネルギーの消費量が多いのが特徴です。肩から腕を回すことから、菱形筋、僧帽筋、三角筋といった肩甲骨回りの筋肉がほぐれます。広背筋や脊柱起立筋といった背中の筋肉の鍛える効果も。肩こりや腰痛に悩む方にもおすすめです。全身を使うことから、バタ足よりも効率的な基礎代謝アップが期待できます。
水の中にいるときに、気分が落ち着いた経験はありませんか。リラクゼーション効果も、水泳のメリットのひとつです。水中は、産まれる前の羊水の中にいる状態に似ていると言われており、水に浮いているだけでもリラックスできます。
精神面での効果はほかにもあります。水泳をきっかけとして、新たなチャレンジへの意欲が増すシニアスイマーも少なくありません。例えば、水泳のレースに出場する目標を持つようになった方もいます。「駅の階段を上っても全然息が切れなくなった」と、散歩や旅行を楽しむようになった方も。水泳によって達成感を味わったり、体力に自信がついたりすることによって、ほかの活動に対するハードルも下がるものです。
水泳にはたくさんのメリットがある一方で、水着姿になることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。そんな方におすすめの水着をご紹介します。
①ラッシュガード
「ラッシュガード」とは、水着の上に着用するスイムウェアです。もともとは、サーフィンの際に日焼けや怪我の予防のために着用されていたものですが、プールでも利用できます。身につけることによって体型がカバーされることが利点です。
②フィットネス水着
「フィットネス水着」とは、スポーツウェアのような水着です。体型をカバーできるだけでなく、近年ではさまざまな色や柄のフィットネス水着が出回っており、おしゃれを楽しめる利点もあります。「競泳用の水着を着るのは腰が引ける」という方も、フィットネス水着ならトライしやすいのではないでしょうか。
体力に自信のなかった方が、いざスイミングを始めてみると泳ぐ楽しさに魅了され、当初想像していた以上に長続きすることも珍しくありません。シニアの方にもぴったりの運動であるスイミング。この夏からさっそく始めてみてはいかがでしょうか。
※文章中で紹介している身体への効果には個人差があり、掲載内容が効能・効果を保証するものではありません。
スイミングを行う前にはしっかりと準備体操を行い、無理はせずにご自身のペースで実践してください。
2022.08.01
大前綾香(おおまえ・あやか)さん
スイムラン 水泳講師
「スポーツだと意気込まずに、遊び感覚でスイミングを試してみてほしい」と語る大前さん。受講者が水泳を楽しむ姿を目にすることが、大前さんのやりがいです。スイムランでは、子どもから大人まで、初心者から上級者まで、受講者のレベルに合わせたさまざまなプログラムを用意。障害のある方やシニアの方専用のレッスンも行っています。