課題業務効率化|社会インフラ保全|歩留まり向上
テーマ 非破壊検査|スマート工場

炭素繊維強化プラスチックの内部異常を
電磁応答の利用により非破壊で検出する技術です。

技術概要

誘導電流の流路変化を誘導磁界の変化として検出することで非破壊検査を実現

  • 従来、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)に発生する炭素繊維の破断・層間剥離などの検出には、X線CTや超音波探傷が用いられていましたが、水やグリセリンなど接触媒体を要する、防護遮蔽など付帯設備を要する、検査が高価、といった問題点がありました。
  • 本技術では渦流探傷法を用いて、CFPR内の炭素繊維に流れる誘導電流の変化から、炭素繊維の破断・剥離等の非破壊検査を実現します。
    ※渦流探傷法:検査対象に交流磁界を印加し、電磁誘導現象により対象内に生じた誘導電流(渦電流)が欠陥により流れ方が変化することを、誘導電流から生じた誘導電流磁界を磁気センサで検出することで欠陥を検出する手法。
  • これによりX線や超音波などの従来技術と比較して、付帯設備や検査時の前処理が不要になり、かつ安価での検査実施を期待できます。

層間剥離の検出

積層方向に誘導電流を印加することにより、剥離有無での誘導電流変化を検出します。

層間剥離の検出

誘導磁界分布から炭素繊維の配向ずれや角度を検出

  • 従来、炭素繊維シートの積層時または成形時にずれが生じるとの問題点がありました。
  • 本技術では誘導磁界分布から角度強度分布を算出することで、積層されている各層の配向ずれの有無やずれの角度を検出できます。

繊維配向ずれの検出

炭素繊維は繊維方向の抵抗値が低いため、誘導電流は繊維方向に沿って流れます。検査プローブを2次元上にCFRP表面で走査することにより、誘導電流の分布(炭素繊維の分布)を計測できます。

繊維配向ずれの検出

活用イメージ

  • 製造現場や検査現場等の作業現場のラインに本技術を組み込むことで、製造中での異常検出と逐次修正が可能となり、手戻りの改善、廃棄の削減を実現します。
  • 素材メーカー、自動車メーカー、航空機メーカー等、CFRPの非破壊検査が必要な業界で活用いただけます。

提供ライセンス

ライセンス
方式
関連特許・ノウハウのライセンス(非独占的通常実施権)
関連特許 特許第7270860号
技術指導 条件次第で相談可

※本ページの記載は2023年4月時点の情報に基づくものであり、特許の権利状況等は最新状況と異なる場合があります。

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