課題温度サイクル耐性|異種材料接着
テーマ接着技術|信頼性向上
温度差が激しい過酷な環境下でも接着を維持できる
高信頼性接着を実現する技術です。
技術概要
高分子樹脂を用いた多孔性材料による接着
- 温度差が激しい過酷な環境下において高信頼性接着を実現するには、接着部分において化学的に安定な構造と靱性をあわせもつことが課題となります。
- 本技術ではこれを解決すべく、高分子材料であるエポキシ樹脂を、柔軟かつ強靭な性質を持つ共連続性の多孔質樹脂(モノリス構造)として薄膜状にシート化し、任意の接着剤と組み合わせた接着層として利用します。
- 通常のエポキシ樹脂は硬質で靱性が低いですが、モノリス構造を持つエポキシ薄膜であれば、曲げたり折ったりすることも可能となります。


モノリス構造を持つエポキシ薄膜による
シート接着技術
- 本技術では、モノリス構造を有したエポキシ薄膜に接着剤を含侵させ、シート接着剤として活用します。これにより硬質で脆い接着剤の靱性が向上し、温度サイクルなどの信頼性試験に強くなる効果を発揮します。熱膨張率の異なる異種部材に対する高信頼接着技術としての活用可能性もあります。
モノリス構造を有した接着体の温度サイクル耐性の例
温度変化:-15~130℃、被着体:鉄/鉄系合金、エポキシ系1液熱硬化型接着剤を使用

- また、一般に接着を行う際には接着剤の量や厚みをコントロールし、適切な塗布形状を制御する必要がありますが、本技術のようなシートに含浸させた接着構造であれば、シートを挟んで熱などで硬化するだけで接着が完結できます。接着剤厚の管理が不要で、シート接着剤として簡便に利用可能です。
モノリスシートによる接着

モノリスシートの機械特性変化
- モノリスシート自体についても、作製時に細孔形成剤の種類変化や第2成分の添加により、細孔径・伸び率・弾性率・強度といった任意の機械特性を付与することができます。
- 例えば、エポキシや硬化剤の比率調整により、細孔径は数十nm~30μm程度まで変化させることができます。
- また、カーボンブラックなどの導電性部材を添加することで、樹脂材に混合するよりも効率的にフィラーが凝集し導電性が向上するなど、柔軟な導電性材料を作製することも可能です。


活用イメージ
- 自動車メーカー、電装部品メーカーなどで、エンジンルーム内の部品固定やセンサーの取り付け用途に活用いただける可能性があります。
- 電子機器メーカー、ディスプレイメーカーなどで、高温環境下での部品接着用途に活用いただける可能性があります。
提供ライセンス
ライセンス 方式 |
関連特許・ノウハウのライセンス(非独占的通常実施権) |
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関連特許 | 特許第7403726号、特許第7499994号ほか |
技術指導 | 当社受け入れでの技術指導も相談可。関連部材提供も可(要相談) |
※本ページの記載は2025年1月時点の情報に基づくものであり、特許の権利状況等は最新状況と異なる場合があります。