課題偽造防止|真贋判定|コスト削減
テーマセキュリティ強化|模倣品対策|機器認証
製品固有の複製不可能な電磁的特性を利用し、
専門知識がなくても真贋判定を実現する技術です。
技術概要
電磁的特性の利用により、追加回路等を要することなく真贋判定を実現
- 従来、電子機器の模倣品の真贋判定に対応する際は、正規品と疑義品の現物や写真を対比・観察して外観上から相違点の有無を確認したり、製品のシリアルナンバーと出荷履歴等の照合により確認することが一般的でした。一方、こうした方法で判定できない場合は、X線検査や内部検査など、よりコストと時間を要する手法を実施せざる得ないことがありました。
- そこで、本技術では、電子機器の製造ばらつきに起因する複製不可能な電磁的特性※1を「電磁指紋®」と称して利用し、模倣品の真贋判定や個体識別を実現します。
※1 同一型番の機器やデバイスであっても、ノイズ特性や反射特性、インピーダンス特性といった電磁的特性は製造ばらつきにより機器ごとに異なる特性を持ち、複製や人為的再現は不可能。 - 機器固有の電磁的特性を「電磁指紋®」として事前にデータベースに登録のうえ※2、判定対象品から取得した電磁的特性と比較照合することで、未登録の機器を模倣品として検出し、真贋判定を実現します。
※2 電磁的特性は、汎用的なコネクタ(USB、LAN等)を備えている電子機器であれば、あらゆる電子機器から取得可能です。なお、規格化されていない特殊なコネクタ形状の電子機器であっても、専用の治具を用いることで電磁的特性を取得可能です。 - 本技術は、特別な回路の追加を必要としないため、コスト削減や設計の簡素化の実現に寄与します。
「電磁指紋®」のイメージ

本技術の適用イメージ

USBコネクタ端子の測定において高識別精度を達成
- 当社では、本技術の評価のため、USBハブの個体識別を実施しました。
- USBハブ12機種、総計300台について、ネットワークアナライザを用いてUSBハブのコネクタ端子の反射特性を測定し、機種の識別(その個体の特性がどの機種であるかの識別)を実施したところ、機種ごとの特性の違いを明確に判別し、当社の検証環境においては機種識別率100%を達成しました。さらに、この測定データを用いた個体の識別(同一型番のUSBハブであっても異なる個体の識別)についても、同じく個体識別率100%を達成しました。
- これにより、反射特性の個体差を利用して、同一型番の製品群から個体を識別可能なことを確認しました。このように、本技術では外観からは判別不能な模倣品の識別が可能となります。
反射特性を利用した同一型番の製品群からの個体識別(デモの構成)

活用イメージ
- 模倣品の真贋判定対応にお困りの電子機器メーカー、ECサイト運営会社、中古品取扱い業者など
提供ライセンス
ライセンス 方式 |
関連特許・ノウハウのライセンス(非独占的通常実施権) |
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関連特許 | 特許第7154444号、特許第7607848号ほか |
※本ページの記載は2025年1月時点の情報に基づくものであり、特許の権利状況等は最新状況と異なる場合があります。