2023年04月号

特集 「FA」

三菱電機技報 2023年04月号

巻頭言
DXのその先のFA:暗黙知とシステミック思考
巻頭論文
持続可能な社会を支える最新のFA技術
特集論文
全3編

特集概要

三菱電機は、先端技術と最高品質をベースとしたFA-IT統合ソリューションe-F@ctoryの提供を通じて、世界のものづくりに貢献し、お客様満足OnlyOne FA Supplierへの挑戦を行っています。本号では、このe-F@ctoryを支える最新のFA製品について紹介します。
①産業用ロボット支援サービス“iQ Care MELFA Support”。産業用ロボットの運用や保守/修理に至るまで、ロボットの安定稼働をサポートするサービスを構築します。
②ワイヤ・レーザー金属3Dプリンター“AZ600”。当社の製品である“数値制御装置(CNC)”“レーザー加工機”“ワイヤ放電加工機”の技術シナジーを発揮することで、国内で初めて(注1)ワイヤ・レーザーDED(Direct Energy Deposition)金属3Dプリンターを実現しました。
③電子式電力量計“M8HMシリーズ”。スマートメーター機能を搭載し、自動検針システムに対応する電力量計を開発することで、人手不足解消、業務効率化に貢献します。
(注1)2022年2月24日、当社調べ

巻頭言
巻頭論文
2.

持続可能な社会を支える最新のFA技術(PDF:855KB)

岡  徹

製造業では,生産性向上はもとより,環境問題に向けた対応などの社会課題解決への貢献が望まれている。
三菱電機のFA事業では,FA制御・加工機・駆動機器・産業用ロボットなどの豊富な製品群で,継続的に生産性を向上させて,さらにカーボンニュートラルなどの社会課題解決の実現を支えるための技術を,AI(人工知能)などの先進のデジタル技術も活用して開発している。
今後も当社の幅広い事業分野で持つ技術を基に生産性向上や“持続可能性(サステナビリティ)”実現といったFA分野への価値をもたらす製品・ソリューションを継続して提供し続けることで,持続可能な社会の実現に向けたものづくりの進化に貢献していく。

特集論文
(全3編)
3.

産業用ロボット支援サービス“iQ Care MELFA Support”(PDF:524KB)

小山篤史/千田慎吾

近年,製造業の生産現場では人手不足解消のため,ロボットの導入による自動化が進むとともに,更なる生産性向上や生産設備での安定稼働のニーズが高まっている。
このような状況下で,三菱電機の産業用ロボット“MELFAシリーズ”は,製品販売後,顧客の装置安定稼働のため,修理サービスを主としたアフターサービスを提供している。しかし,近年の人手不足,働き方改革及びIoT(Internet of Things)の普及によって,アフターサービスへの要望も多様化している背景があり,顧客の要望に対応する新たなアフターサービス製品を開発した。

4.

ワイヤ・レーザー金属3Dプリンター“AZ600”(PDF:649KB)

林 真育/鷲見信行/橋本 隆/木場亮吾

製造業で,Additive Manufacturing(AM,付加製造,3Dプリンティング)の適用が進んでいる。
三菱電機では,材料に金属ワイヤ,熱源にレーザーの組合せを国内で初めて(注1)採用した,ワイヤ・レーザー金属3Dプリンター“AZ600”を開発した。各種センサーで造形状態を検知し,加工条件や軸速度を協調させる造形プロセス制御機能を搭載し,造形の安定化と高精度化を実現している。また,当社独自の点造形を使用することで,熱歪(ひずみ)の抑制と酸化の抑制が可能である。AZ600によるAMの適用事例では,加工時間,製造コスト,材料廃棄量の削減が期待でき,カーボンニュートラルへの貢献が見込まれる。さらに,属人化された作業の品質安定化や自動化・省人化のニーズへの対応も期待できる。
(注1) 2022年2月24日,当社調べ

5.

電子式電力量計“M8HMシリーズ”(PDF:603KB)

杉岡諒一/平方健吾

近年,人手不足の解消や働き方改革での業務効率化を目的に自動検針システムの需要が高まっている。自動検針システムに対応する電力量計のラインアップを強化するため,スマートメーター機能(30分値機能,通信機能)を搭載した“M8HMシリーズ”を開発した。主な特長は次のとおりである。
(1) 30分/10分/1分ごとの電力量管理機能を搭載している。
(2) MODBUS(注1) RTU(Remote Terminal Unit)通信及びB/NET伝送に対応している(注2)。上位システムから計測データ及び計器管理データの取得が可能である。
(3) 双方向計量計器をラインアップしている。
(4) 設置前・設置後の計量値の確認が可能である(注2)
(5) モバイル検針に対応している(注2)。モバイル端末から計量値の取得が可能である。
(注1) MODBUSは,Schneider Electric USA, Inc.の登録商標である。
(注2) 別売りのオプションモジュールが必要である。

技報トップへ