企業情報

製造業では，変化に強いレジリエントなものづくりやサステナブル社会の実現に向けて，エコシステム全体での生産活動の効率化を狙ったDX（Digital Transformation）が進められている。生産現場では，全プロセスで個別識別された情報をリアルタイムにつなぎ制御することで生産効率の最大化が図られる。これを実現する“デジタルマニュファクチャリング”の３要素として，生産現場の自動化を進めること，バックヤード業務のデジタル化を業務全域で揃（そろ）えていくこと，生産現場とバックヤード業務をシステム統合することが必要と考える。三菱電機では，３要素の技術に磨きをかけるとともに，標準化，オープン化，セキュリティー強化を進めて，エコシステム連携のスキームづくりをより一層推進していく。

外観検査の自動化では，“ランダムに発生する傷”や“色ムラ”といったルール化困難な不良に対して官能的な検査を実現するために，AIによる画像検査が期待されている。現在，複数のメーカーからAI外観検査を可能にする製品・機能が市場に展開され始めているものの，導入に関しては様々な課題が存在する。
三菱電機では，それらの課題を解決する外観検査ソフトウエア“MELSOFT VIXIO”（メルソフトヴィクシオ）を開発した。

GSシリーズは，2013年に市場投入した三菱電機表示器事業での海外向け低価格ラインアップであり，継続的に機能拡張を行っている。中国市場での更なる付加価値向上を目指し，次の開発を行った。
（1） 大画面モデルのGS2512－WXTBDの開発
（2） 中国語入力（ピンイン変換）機能の搭載
これらの機種開発，機能開発によって，中国市場でのシェア拡大を目指す。

海外市場に製品やサービスを投入する多くの企業にとって，従来の電気安全法や有害物質を規制した欧州RoHS（the Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electronic equipment）指令などフィジカル関連の法令規格への体制や人材育成はできているが，サイバーセキュリティーやAIなどのデジタル関連（以下“サイバー関連”という。）の法令規格への体制や，人材育成は十分とは言えない状況にある。この状況は法令規格違反が大きなニュースになる現代では企業経営を揺るがしかねない問題に発展する危険性もある。
また，各国や地域のサイバー関連の法令規格に迅速かつ真摯に取り組むことは，様々な変革で企業競争力の底上げにつながる。

近年，製造業でもデジタルトランスフォーメーション（DX）が推進される中で，データを一元的に収集・蓄積・運用できるSCADA（Supervisory Control And Data Acquisition）ソフトウエアは存在感を増している。
三菱電機では，SCADAである“GENESIS64”を開発しているICONICS社を完全子会社化し，共同開発によって製品強化を進めてきた。GENESIS64は，外部システムや機器との高い接続性を持ち，豊富なデータ見える化手段と多角的な分析機能を提供することを特長とする。また，当社FA関連製品との親和性強化によって，ユーザーへの付加価値を高めている。
GENESIS64を用いることで，包括的なデータの活用ができるようになり，製造業での生産性と品質の向上に貢献する。