1992年に開始した「三菱電機SOCIO-ROOTS(ソシオルーツ)基金」は、従業員からの寄付に対して会社が同額を上乗せ(マッチング)し、社会福祉施設や団体に拠出する「マッチングギフト制度」です。善意の寄付を倍にするこの基金には、毎年、全国の事業所で多くの従業員が参加しており、2023年3月時点で累計約2,300件、金額にして約14億9,000万円を寄付しています。
当基金が生まれたきっかけは、「香典返しを是非、福祉施設で役立ててもらいたい」という従業員の強い申し出でした。当時、社員の親族に不幸があると、社内でお香典を集めてお渡しする習慣がありましたが、「香典返し」の際に、その品物が会議室を占有し、配布するのも大変だったようです。
このようなとき、「社会貢献活動委員会(現在はサステナビリティ委員会)が発足。社員の申し出について検討を重ねた結果、社員からの寄付に支援を上乗せするマッチングギフトの形式で、1992年に基金が設立されました。設立当初からご協力いただいている各都道府県の共同募金会には、寄付先の紹介をはじめ、地域ニーズ把握などの面で活動をサポートいただいています。
一人一人の思いやりが大きなサポートとなり、社会で多くの笑顔の花を咲かせられるよう、「草の根的な募金活動」という意味を名前に持つ当基金は、地域に根ざした活動を続けていきます。
従業員の声
九州支社では、福岡市内を中心に活動を開始しましたが、2008年からは沖縄地区も含め九州圏内全域へと寄贈先を拡大しており、寄付金は当社家電品に替えて寄贈を行っています。寄贈先は児童養護施設をはじめ、院内学級、特別支援学校等の社会福祉施設を対象とし、「みつびしでんき科学教室」も開催しています。社員が講師となって、次世代を担うお子さんたちと一緒に実験や工作を行いながら、当社製品に使われている科学技術を分かりやすく、そして‘驚き’や‘面白み’を分かち合いながら伝えています。2018年には沖縄地区の子ども食堂でも初めて開催しました。お子さんや保護者の方たちの笑顔に出会うたびに我々も元気と勇気をいただいています。今後も地域貢献に繋げられるよう地道に継続して参ります。
協力先の声(社会福祉法人 中央共同募金会)
三菱電機SOCIO-ROOTS基金とのお付き合いが始まった1992年頃は、企業による社会貢献活動が今ほど活発ではありませんでした。そんな中、他の企業に先駆けてマッチングギフト制度を取り入れた三菱電機は、寄付の文化を作る先駆的な存在だったと思います。
共同募金会は、社会福祉の現場と企業の間の架け橋としてサポートを続けており、善意のネットワークが広がっていくのを見るのは、大変嬉しいものです。
地域の声に耳を傾けながら、着実に実績を残してこられた三菱電機SOCIO-ROOTS基金には、これからも是非、活動を継続して欲しいと思います。
寄付事例
思いを直接届ける支援
障がい者支援施設をはじめ、乳児院や母子生活支援施設、児童養護施設、特別養護老人ホームなどへ支援を行っています。寄付先への贈呈式を通じて社員の気持ちを届け、顔の見える支援を心がけています。寄付先からいただくお礼メッセージは、基金活動の大きな励みであり、社員の笑顔にもつながります。
災害復興支援
東日本大震災をはじめとする、大規模自然災害による被災地の復興支援のため、従業員有志による募金活動、寄付を継続して実施しています。
また、被災地の物産を扱う「マルシェ」を開催することで、現地とのつながり意識した支援を行っています。
活動内容
募金活動実施時期 | 災害・募金名称 | 支援・義援金額 (マッチング後) |
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2011年4月 | 東日本大震災 | 2億7,400万円 |
2016年4月 | 熊本地震 | 6,281万円 |
2018年7月 | 平成30年7月豪雨 | 4,164万円 |
2024年1月 | 令和6年能登半島地震 | 5,740万円 |
2011年8月~ 2024年3月(継続中) |
被災地の子どもたち支援 上記災害で被災した子どもたちを支援するNPO等の団体、自治体などへの寄付 |
累計 2億850万円 (2024年3月時点) |