並列駆動に適したLV100タイプの
フルSiCパワーモジュールを適用したインバーター装置を開発。
概要
当社は世界で初めて※1、並列駆動に適したLV100タイプのフルSiC※2パワーモジュールを開発しました。このパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバーターを開発し、高密度実装と省エネ効果を確認しました。
技術ポイント
LV100タイプのフルSiCパワーモジュールを開発
SiC−MOSFET※3とSiC-SBD※4で構成したLV100タイプの定格750A/3300V大容量パワーモジュールを開発。LV100タイプのパワーモジュールは、並列駆動を容易にする端子配列になっており、鉄道車両の要求仕様に応じて並列数を変えて最適化を図ることが可能です。
SiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバーター
LV100タイプのSiCモジュールを適用することで、従来のSiパワーモジュールを適用したインバータ装置(当社製)と比較して体積を約60%、質量を約50%低減するなど高密度実装を実現しました。
営業線での性能試験で省エネ効果を確認
1台のインバータ装置で4台の主電動機を制御する主回路システムにより、営業線で運行中のGTO※5車両に対し、約40%の省エネルギー性能を確認しました。
※12017年5月11日現在、当社調べ
※2SiC(Silicon Carbide):炭素とケイ素が1:1の化合物
※3MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect-Transistor):半導体と酸化膜の接合部に生じる版転送を利用した電界効果トランジスタ―
※4SBD(Schottky Barrier Diode):半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード
※5GTO(Gate Turn-Off Thyristor):ゲートターンオフサイリスタ―
<参考文献>菅原徹大、石田貴仁、山下良範、「SiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバータ装置」、三菱電機技報 Vol.94, No.12, 2020.