光デバイスの小型化・高速化を実現し、
次世代に向けた光通信の大容量化に貢献します。

概要

Siフォトニクスとは、電子デバイスを製造する半導体の微細加工技術を用いて、光導波路や、光変調器、受光素子等の機能をSOI (Silicon on Insulator)基板上に集積する技術です。

Siフォトニクスを用いて形成される光導波路サイズは、数百nmと非常に小さいため、光デバイスの小型化が可能です。近年、AIやビッグデータ等を活用した新たな生活様式への移行に伴い、通信トラフィックが増加していることから、光通信分野においても大容量化が求められています。光通信の大容量化を実現するために、より小型で高速な光デバイスを必要とされています。

三菱電機は次世代の大容量光通信向けにSiフォトニクスを活用した光デバイス研究に取り組んでいます。

技術ポイント

光通信の大容量化に向け鍵となる光波長多重化技術

光通信容量を増大させる方法の1つとして波長分割多重技術があります。この技術は光の波長毎に変調信号をのせ、光の波長を束ねて1本の光ファイバーで伝送する方式です。

波長分割多重技術は幹線系の光ネットワークを中心に用いられてきましたが、通信トラフィックが集中するデータセンタ内の短距離向け光通信にも導入されており、将来大容量化が進むにつれ高密度に光の波長を配置することが重要になると考えられます。
当社はより高密度な波長分割多重化技術開発に向け引き続き研究を進めます。

光通信の大容量化に向け鍵となる光波長多重化技術

Siフォトニクスを活用した多波長光源

通常、半導体レーザは1つの波長しか出力できず、同時に複数の波長を出力することができないため、波長分割多重により波長を増やすとその分数多くの光源が必要になります。この課題に対して当社ではSiフォトニクスと化合物半導体を組み合わせた多波長光源の研究を進めています。

この光源はSiフォトニクスデバイス上にミラーや波長フィルタを形成し、化合物半導体増幅器と組み合わせてレーザ共振器を構成することで、従来の光源とは異なり、複数の光波長を同時に出力することができます。

この技術は1つの光源から複数の波長を発振することができることから経済性や通信容量の大容量化の観点から将来有望な技術の1つなると考えられます。

Siフォトニクスを活用した多波長光源

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