開発NOTE
可能性を秘めたAIをツールとして
もっと使いこなしていきたい。
どんなに優れた技術でもお客様からの距離が遠いモノでなく、使いやすいモノでないと広まっていかない、そう考えています。産業用ロボットを今後さらに普及させるには、何がボトルネックになっているか。現場の方々の多くの声を聞き、その答えのひとつが速さであることに気づきました。
お客様が求める速さと従来の力覚制御の間には溝がある。その溝を埋めるにはいままでとは違う大胆なアプローチが必要だと考えました。それがAIの活用です。
AIを活用するといっても正直、不安もありました。AIと聞くと、「問題の最適解や方策を与えてくれるが、ブラックボックスで本質が見えにくいもの」というイメージを持っていました。その先入観による不安は研究を続けるうちに期待に変わりました。
具体的なアプリケーションを試したことで、いろいろなところで応用できるのではと、AIの可能性を肌で感じました。「AIはおもしろい使い方ができるはず。これからの時代はツールとしてAIを使いこなせないといけない」、そう思いました。
どう使えばAIが活きてくるか、ひとつの事例を提示できたと思います。
AIは近年とても注目を集めていますが「どこに使ったらいいのか、まだはっきりと見えてこない」という声をお客様から聞くことがあります。こんな使い方をすればAIは活きてくるんだ、そんなひとつの事例を提示できたのではないでしょうか。
我々の意識として、技術力をアピールするだけでは意味がない、現場にとってどれだけうれしいかが、開発を進める上での重要な判断基準です。ものづくりの現場で即戦力として役立つAIを目指し、研究しています。
AIが産業用ロボットの性能を最大限に引き出す、それによって組立工程における生産性が向上し、さらに産業用ロボット活用の裾野も大きく広がっていく、この技術はそんな期待の持てる技術だと思っています。