産業用モーターの設計時間短縮を実現し、
業務負荷軽減や製造リードタイム短縮に貢献します。

MaisartMaisart関連技術「Maisart」

概要

三菱電機のAI技術「Maisart®(マイサート)※1」を用いて、短時間で熟練設計者による設計と同等性能の設計を実現する産業用モーター設計支援システムを開発しました。

従来、工場設備のポンプやコンプレッサー、ファンなどに用いられる産業用モーターの設計は、サイズを小さくすると電力効率が下がってしまうなど背反関係にある希望性能のバランスを見ながら設計変更を繰り返して設計仕様を調整する必要がありました。特にすべての希望性能をバランス良く満たす設計仕様に調整するのは困難で、設計経験が少ない設計者だと何度も試行錯誤を繰り返すことが必要となり、熟練設計者による確認も必要でした。

そこで、当社とTMEIC(東芝三菱電機産業システム株式会社)は、①設計者が入力する希望性能に近い性能を実現する過去の設計仕様とその性能をAIが提示する処理を繰り返すことで、設計者による希望性能の調整と過去の設計仕様選択をAIが支援する。②過去の設計仕様に基づき最適な設計仕様候補をAIが提示するという2段階の構成により、設計仕様を短時間で決定する産業用モーター設計支援システムを開発しました。TMEICの設計者が過去の設計仕様に対して本技術を適用したところ、熟練の設計者で従来1日※2(初心者で3日)かかる作業が約3時間へ短縮できることを確認しました。

本技術により、設計者は希望性能をAIへ入力し、AIが提示する過去の設計仕様の性能に基づき希望性能を微調整して再入力するだけで、希望性能に近い過去の設計仕様が得られます。さらに希望性能に近い過去の設計仕様に基づきAIが新たに最適な設計仕様候補を提示することで、熟練者の設計手順の容易化・標準化が可能です。この技術を発展させることで、初心者への技能伝達効率化や設計の性能向上にも貢献します。

「AIを用いたモーター設計支援システム」のイメージ

ニュースリリース

技術ポイント

双方向型の多目的設計最適化技術により、希望性能の調整と過去の設計仕様選択をAIが支援

設計者は希望性能をAIに入力し、AIは過去の設計仕様の中から、希望性能に近い性能を実現する過去の設計仕様とその性能を設計者に提示します。

そして、設計者は提示された設計仕様と各種性能を確認し、必要に応じて、希望性能を微調整・再入力し、AIが設計仕様を提示するという双方向型の作業を繰り返すことで、設計者の最終的な希望性能を反映した過去の設計仕様を選択可能です。

高速な性能推定と効率的な最適設計仕様提示により、熟練設計者による設計と同等の設計を短時間で実現

これまで、TMEICが蓄積してきた設計仕様から、モーターの各種製法を高速に計算するAI技術を開発することで、性能の推定にかかる時間を短縮します。

AIが希望性能を反映した過去の設計仕様に近い設計仕様候補を作り、その中から最適な設計仕様候補を探索して提示します。従来1日(初心者で3日)かかる設計作業が3時間に短縮されるとともに、熟練設計者による設計と同等性能の設計仕様を実現します。

※1Maisart(マイサート):Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technologyの略。
全ての機器をより賢くすることを目指した当社のAI技術ブランド。

※21日の作業時間を8時間として換算。

SDGsへの取組

  • 産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGsとは?