濃霧、豪雨などの悪天候や夜間にも対応できる高い認知技術で、
自動運転や運転支援システムの安全・安心に貢献します。

概要

三菱電機では濃霧や豪雨などの悪天候時でも、車両周辺の状況を高い精度で検知できる「悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術」を開発しました。車載センサーの検知精度が著しく低下する悪天候時でも、自動運転や運転支援システムが安定的に作動することが期待できます。

自動運転・運転支援では車両に搭載されたセンサーが人でいえば「目」の働きをし、前方の車両や障害物、人などを認識。それに合わせて「ステアリング(ハンドル)を動かす」「ブレーキを踏む」「車線変更する」などの運転操作が機械的に行われます。

自動運転・運転支援で使用される主なセンサーは「ミリ波レーダー」「カメラ」「ライダー」の3種類です。「ミリ波レーダー」はとても波長の短い電波を対象物に照射し、跳ね返って戻ってきた電波を検出して対象物までの距離や方向を検出します。「カメラ」は前方の画像を撮影し、対象物を検知します。また「ライダー」は「レーザーレーダー」とも呼ばれ、レーザー光を照射し、対象物に反射されて戻ってくる時間によって距離を計測します。

今回、これら複数のセンサーが検知した情報から信頼性の高い情報を取捨選択して、周辺環境の認識精度を高める技術を開発。悪天候でも高い検知精度を維持することに成功しました。

ニュースリリース

技術ポイント

複数の車載センサー情報を信頼度に基づき選択・統合し、悪天候でも高精度に検知

車両に搭載されている複数のセンサーが速度・車幅・向き・距離などを検出。それらの時系列データをセンサーごとの特性を基に想定した値と瞬時に比較・分析し、天候などにより変化する情報の信頼度を推定します。

信頼度が高い情報を選択・統合することで、悪天候でも高い検知精度を維持します。これにより豪雨や濃霧などの悪天候時でも自動運転やAEBをはじめとする運転支援システムが使用できます。

悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術

悪天候でのAEB性能実験で効果を実証

悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術

一般財団法人日本自動車研究所の特異環境試験場で様々な悪条件を想定したAEBの実証実験を実施。雨量毎時80mmの状況下では最大で時速40kmで走行してもAEBが作動し、障害物との衝突回避が可能であることを実証しました。

また霧・視程15mの場合には、時速10~15kmの走行で作動することを実証。降雨条件下では夜間を想定したAEBの作動を確認しています。さらにカメラなどの検知精度に大きく影響する逆光条件でも、時速10~40kmでの作動を確認しています。

悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術

Autonomous Emergency Braking:衝突被害軽減ブレーキ