あふれる情報の中から必要な情報を素早く直観的に把握でき、
情報収集時間を大幅に削減します。

MaisartMaisart関連技術「Maisart」

概要

三菱電機のAI技術「Maisart®(マイサート)※1」を用いて、膨大な資料群からキーとなる単語や著者、引用関係、図表における全体と部分の関係情報などを獲得し、情報のつながりをグラフ構造で表す知識グラフを自動構築することで、入力したキーワードを起点に情報の関連性をたどる「知識探索支援技術」を開発しました。必要な情報を素早く網羅的・直観的に把握でき、情報収集時間の大幅な削減に貢献します。

情報過多な現代において、あふれる情報の中から自分にとって必要な情報を見つけ出すには多くの時間がかかります。知りたい情報、興味のある情報に素早くアクセスするためには、資料をあらかじめデジタル化(電子化)しておくだけではなく、資料内あるいは資料間の情報の関係を構造的に管理しておく必要があります。

本技術は、まずAIによって重要な情報を自動獲得し、情報間の関係を自動推定することで、さまざまな資料やデータを構造的にデジタル化します。情報の探索時には、帯の太さで関連性の強さを可視化することで、例えば入力したキーワードと一番関連が強い人物を特定できるなど、知りたい情報、興味のある情報、これまで気付かなかった情報に素早く直観的に辿り着くことができます。

社内外における、過去の資料やデータの再活用・部門間相互活用に向けて、知識探索支援技術の実業務への適用と検証を進めていきます※2

「知識探索支援技術」のイメージ

ニュースリリース

技術ポイント

知識グラフを自動構築し、さまざまな資料やデータを構造的にデジタル化

情報過多な時代において、さまざまな形式の資料から必要な情報を見つけ出すためには、資料をデジタル化(電子化)するだけでなく、資料内あるいは資料間の情報の関係を構造的に管理する必要があります。特に、図表から知識を獲得するには、図形やセル結合などの意味を人が判断する必要がありました。

本技術は、当社のAI技術「Maisart」により、テキストのみならず図表やプレゼン資料、画像、音声などのデータから、知識グラフを自動構築します。図表やプレゼン資料などの図形と文字を組み合わせて表現された資料において、業界で初めて※3資料中の図形や表、テキストを解析し、オブジェクトの種類と位置情報から図表における全体と部分の関係情報などを推定することで、知識グラフの自動構築が可能になりました(図1)。

図1知識グラフ自動構築のイメージ

例えば図1の場合、従来は資料Aに「ロボット技術」や「XXプロジェクト」のキーワードが含まれていることは全文検索技術で分かりましたが、「ロボット技術」と「XXプロジェクト」の関係までは分かりませんでした。

今回開発した技術では、テキストや図表といったオブジェクトの種類や位置情報などをAIが事前に学習することで、オブジェクトの組み合わせや他の要素との組み合わせに応じて、キーワード間の関係を自動推定します。

これにより、「屋内自動走行」と「XXプロジェクト」が同一セットである(「屋内自動走行」が「XXプロジェクト」に属する)ことや、「ロボット技術」と「XXプロジェクト」が同一行である(「XXプロジェクト」が「ロボット技術」に関するプロジェクトである)ことも分かるようになりました。

従来のテキスト解析のみでは分からなかった、図表で表現されている関係性も含めた、より詳細な知識グラフが完成され、複数の資料から得られた知識グラフを統合することで、これまで見えていなかった関係も含めた、より精緻な知識グラフを構築できます。

情報の関連性を直観的に把握することで、情報収集時間を41.7%削減

多くの資料から知識グラフを構築した場合、情報とそのつながりの数は膨大になり、知識グラフを描画しただけでは人間が情報間の関連性を把握することは難しく、構造化した知識を十分に活かすことができませんでした。

本技術は、当社のAI技術「Maisart」により、業界で初めて知識グラフから情報間の関連の強さを推論し、サンキー・ダイアグラム※4の帯とその幅を使って関連の強さを表すことが可能になりました(図2)。

図2関連性の可視化による知識支援探索のイメージ

例えば、「屋内自動走行するロボット」について社内で詳しい人物を調べるため、「屋内自動走行ロボット技術」というキーワードを入力するシーンを想定します。キーワード入力で事前に構築した知識グラフから「屋内自動走行」「ロボット技術」に紐づく人物3人が見つかっても誰が一番詳しいかは直観的には分かりません。

そこで、入力したキーワードと複数見つかった人物との関連性を知識グラフから推論します。さらに、サンキー・ダイアグラムを用いて、関連性が強いほど帯を太く表示することでキーワードと人物の関連の強さを直観的に把握可能とし、知識の探索を支援します。

これにより、技術資料から構築した知識グラフを用いて技術キーパーソンを探すタスクにおいて、従来の複数の文書やファイルから特定の文字列を検索する全文検索と比較し、情報収集時間を41.7%削減※5できます。

※1Maisart(マイサート):Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technologyの略。
全ての機器をより賢くすることを目指した当社のAI技術ブランド。

※2実業務への適用と検証に際しては、プライバシーへ配慮し、対応して参ります。

※32022年5月31日現在、当社調べ。国内メーカーの提供する知識処理サービスにおいて。

※4工程間の流量を表現するために用いられるフロー図の一種。

※5技術資料から構築した知識グラフを用いて、技術キーパーソンを探すタスクにより評価(当社調べ)。

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