パワー半導体(パワーデバイス)①


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これはパワー半導体(パワーデバイス)ですね。今年発表された当社の経営戦略では、「温室効果ガス排出量の2050年実質ゼロ」を実現する具体的な取組として、「パワー半導体の高効率化と市場での普及拡大等」が挙げられていましたね。
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おっ、経営戦略をちゃんと読んでおるとは感心、感心。。。それでは感心ついでに一つ聞くが、パワー半導体がどうして脱炭素に貢献するか、わかっておるかな。
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え~と。。。パワー半導体と脱炭素。。?? そもそも半導体って何ですか?
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そこからきたか。「半導体」という言葉の説明からいくと、鉄や銅のように電気が流れるものを「導体」、ガラスや木材のように電気が流れないものを「非導体」、そして特定の条件によって電気が流れるものが「半導体」じゃ。
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たとえば、これじゃ。「トランジスタ」といって、黒いところの中に半導体チップがはいっていて、そこから3本の足のようなものが伸びている。
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いかにも電子部品っていう感じね。
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そうじゃな。普段は、左の足から右の足に電気を流そうとしても黒い部分(中に半導体チップ)が流れを止めてしまう。だけど、真ん中の足から電気を流すと(つまり、「電流」という条件を与えると)、左から右に電気が流れるようになるんじゃ。
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真ん中の足が、左から右への電気の流れのスイッチみたいな役割になるってことね。
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そうじゃ。この他にも、電流を一方向にのみ流す「ダイオード」もあるのじゃ。パソコンやスマホにも入っている「CPU」や「メモリ」はたくさんの「トランジスタ」や「ダイオード」で構成されているんじゃよ。
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「CPU」や「メモリ」っていうと、計算とか記憶をするので、人に例えると頭脳というイメージですけど、パワー半導体はどんなことが出来るのでしょうか?
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パワー半導体は、いわば筋肉じゃな。
比較的高い電圧と大きな電流を扱い、モータを効率よく駆動させたり、風力で発電した電気を送ったりと、電力の制御や供給をするんじゃよ。そのパワー半導体で構成されるのが「インバータ」といって、電気を直流から交流に変換し、モーターをきめ細かく制御するというはたらきが機器の省エネ、ひいては、脱炭素に大きく関係するんじゃよ。
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パワー半導体が脱炭素に関係することはわかりましたが、「インバータ」、「直流」、「交流」。。。? 勉強不足ですみません。教えてくださいませ。
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「インバータ」の役割はとても重要なので、今回は申し訳ないがここまでとして、詳しくはまた次回とさせていただくぞ。「直流」は電気の流れはずっと同じ方向。「交流」は電気の流れが行ったり来たりを交互に繰り返す。あとは次回に乞う、ご期待!
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博士、、、寒い!? 。
脱炭素の実現へ必要不可欠な「パワー半導体」とは?
電気の消費量を減らし、より効率よくエネルギーを使用するために、電力の制御を行う「パワー半導体」。今では、エアコンや冷蔵庫などの家電製品(ライフ)、電気自動車や鉄道車両(モビリティ)、産業用ロボットなどのFA機器(インダストリー)、風力発電などの再生可能エネルギー(インフラ)など、さまざまなエレクトロニクス機器に搭載されていて、省エネの向上による脱炭素の実現へは、電力量をコントロールするこのパワー半導体の進化が必要不可欠となっております。
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プロジェクトME 「パワーデバイス製作所」
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パワーモジュール